2022年12月

今年もカクヨムコンが始まりました(前編)――今年の私は三本立て――

   

 12月1日になりました。

 記事タイトルの通り、今年もカクヨムコンが始まりましたね。


 カクヨム4年目の私にとって、4回目のカクヨムコンとなります。

 3回目となる昨年は、長編の方の「第7回カクヨムWeb小説コンテスト」には応募せず、短編の方の「カクヨムWeb小説短編賞2021」だけでした。

 今年も同様に短編だけ出すつもりでしたが……。

 直前になって、考えが変わりました。

 初心に返って、今年は短編も長編も応募しよう、という方針です。


 といっても、新作長編を執筆する意欲まではありません。だから応募するのは

既に投稿してある完結済み長編、新規投稿の短編、投稿済みの短編の3種類。

 この「3種類」それぞれで、目標というか応募理由というか、その辺りが全て異なっているので、個人的には今年のカクヨムコンは三本立てで楽しんでいく予定です。


 まず投稿済みの長編。

 これが何よりも「初心に返って」の部分です。

 カクヨムコンは読者選考、特に長編の方は短編みたいな「参考に」ではなく、一次は完全な読者選考です。カクヨム内の「お知らせ」では明記されていないかもしれませんが、Twitterのカクヨム公式アカウントでは「参加レーベルが目を通す応募作品は、読者選考を通過した作品のみ」と明言されたこともありました。つまりいくら色々なレーベルが参加しようと「読者評価の低い作品の中にも掘り出し物があるかもしれない」とスコップしてくださるところはない、というのがカクヨムコンの長編になります。

 だから期間中に評価を稼げる作品でなければ、本来は応募しても意味がありません。「完結してからでも頻繁に読まれている」という作品ならば完結済み長編を出しても評価が得られるでしょうが、私の完結済み長編は「たまに読まれる」という程度。これでは中間選考突破は望めず、実際に今までカクヨムコン長編で中間通過したことは一度もありません。

 そう考えると、出すだけ無駄なのですが……。

 そもそも最初にカクヨムコンに応募した頃、つまりカクヨムコン1年目の頃。カクヨムコンに限らず、私にとって小説投稿サイトのコンテストというものは、とても険しい山でした。受賞なんて夢のまた夢でしたし、一次選考などを通過することも稀でした。

 だからカクヨムコンも受賞や中間通過は現実的な目標ではなく――それらに関して「あわよくば」という気持ちも当然ありましたが――、大きな狙いは別にありました。カクヨムコンに応募することで新しい読者が得られるかもしれない、という点です。

 カクヨムコン期間中は「カクヨムコン応募作品だから読んでみよう」という読者がたくさん現れるらしい。そんな期待からの応募でした。

 実際、カクヨムコン期間中に星評価などが入りました。今思えば、本当の読者だけでなく「自分の作品も評価してほしいから」という気持ちで読まずに★を入れる方々も含まれていたのでしょうね。

 でも少なくとも、私が応募した長編にレビューを書いてくださったかたもおられたので「本当の読者」も確実に存在していたのです。カクヨムコンに応募しなければ得られなかったかもしれない読者が。

 私にとってのカクヨムコンは、そんなスタンスで臨むコンテストでした。ところが、長編の方はともかくとして短編の方では、毎年中間通過できる作品が出てきたので、少し欲が生まれてしまった。「受賞は非現実的な夢としても、せめて中間選考通過を!」みたいな気持ちが強くなると「ならば中間通過のためにはどうしたらいいか?」と考えてしまい、そうなると「長編の方は出すだけ無駄」みたいな結論になって……。

 それで「カクヨムコンは短編の方だけでいいや」と思っていたわけです。

 でも、そうした『欲』を忘れて考えれば、上述のように「新規読者が得られる」という大きな収穫があるのですから、長編だって「出すだけ無駄」ではない。むしろ応募しなければせっかくの機会を逃すことになり勿体ない!

 そんなわけで、初心に戻っての長編応募です。受賞どころか中間通過すら考えず、ただ「一人でも多くの新しい読者に読んでいただく」、これが投稿済みの長編を応募した理由になります。


 続いて、新規投稿の短編。

 これこそ上述の『欲』ですね。中間選考通過が目標です。

 3年目となる去年まで毎回短編の方だけは中間通過しているので、夢ではなく現実的な話と考えて構わないはず。しかし「去年まで毎回だから今年も当然」とは思えません。「去年までは中間通過できたけれど、今年は無理ではないか」という不安も大きいのです。

 まず第一に、1年目と2年目は2作品ずつ中間通過できたのに3年目は1作品のみ。つまり「減ってきている」と思えること。そうなると、今年は中間通過できるとしても1作品だけ、あるいは「1作品」からさらに減って0作品になりそう。

 短編の方は完全な読者選考ではありませんが、去年までの個人的な手応えでは「やはり読者評価は重要」と考えています。そう感じる一つの根拠として、自分の応募作品の中で期間中の★最大作品は毎年通過しているのですが……。

 それぞれの年の「期間中の★最大作品」の★の数が、第二の不安要素です。1年目は★41の作品が最大、2年目は★40、3年目は★36というように、これも少しずつ減り続けているのです。

 読者評価としての判断基準が★だけではないとしても、一応ひとつの目安にはなるでしょう。カクヨムでは交流の広さに応じて作品の読まれやすさも変わってくるでしょうから、例えばAさんの★50作品がBさんの★30作品より優れているとは限りません。しかし同じ私の作品同士を比べるのであれば、★の数は良し悪しの目安にもなるはず。

 カクヨムコンが終わった時点で★40超えがあれば「この作品は大丈夫かも」と少しは安心できて、逆に全て★30を下回ったら「今年は全滅っぽい?」と不安いっぱいになるでしょうね。

 そんなわけで短編の方は、ひとつくらいは中間通過できるかもしれないし、逆にひとつも出来ないかもしれない。どちらも現実的と思えるので「中間選考通過が目標」となります。


 最後に、投稿済みの短編。

 これは今まで一度も中間通過したことないので「私の短編作品がよく読まれるのは投稿直後のみ。だからその『投稿直後』がカクヨムコン期間と重ならない既存作品は、いくら応募しても中間通過は無理なのだろう」と分析しています。

 それでも敢えて応募しようというのは、11月12日の「カクヨムからのお知らせ」短編賞通信 vol.3 が理由です。いくつか前のエッセイ記事でも書いたように、今年は「カドカワ読書タイム」が選考に参加する、という話です。

 改めて「お知らせ」から引用しますが、今回「カドカワ読書タイム」のスタンスは以下のようになっています。


>今回のカクヨムWeb小説短編賞2022では、直接的には短編賞・短編特別賞の審査にかかわらず、離れた形で作品を読ませていただきます。


>ただし、読むからにはカドカワ読書タイムで書籍化したい、5分で読書の短編集に入れたいと思える作品に出会いたいと思っています。


 今回のカクヨムコン短編では、受賞とは別に「5分で読書」シリーズに収録される可能性もあるように読み取れます。

 今まで「5分で読書」のコンテストにはいくら応募しても一次の段階で落ちているので、今さら私の作品を「カドカワ読書タイム」に読んでいただいても無駄かもしれません。でもひとくちに「私の作品」と言っても千差万別です。これまで応募できなくて見ていただけなかった作品の中に、もしかしたら気に入っていただける作品があるかも……?

 限りなく0に近い可能性だとしても、とりあえず応募してみる価値はありますよね。もしも中間選考と同じ基準で読者評価も参考にされるのであれば、投稿済みの短編は無駄になりますが、その点に関しても、


>離れた形で作品を読ませていただきます。


 という言い方に光明を見出したくなります。「離れた形」なのだから本来の選考基準とは別物かもしれない、という願望です。

 応募しなければ読まれる可能性は0だけど、応募すれば0でなくなる。「買わなければ宝くじは当たらない」レベルの話かもしれませんが、とりあえず「『カドカワ読書タイム』に読んでいただく」ことを目標として、今回は投稿済みの短編も応募してみます。

 もちろん「読んでいただきたい」の先には「『5分で読書』シリーズに収録してほしい」という気持ちもありますが、そちらは現実的な話ではないので『目標』というより『夢』や『願望』の範疇ではないか、と考えています。



 以上のように、今年の私は「(投稿済みの長編を)一人でも多くの新しい読者に読んでいただく」「(新規投稿の短編の)中間選考通過」「(投稿済みの短編を)『カドカワ読書タイム』に読んでいただく」という3つの目標を掲げています。

 こうして具体的に『目標』を公言しただけで、なんだか楽しくなってきました。

 皆様もそれぞれ色々な思惑をもってカクヨムコンに参加するのでしょうね。一緒にカクヨムコンを楽しみましょう!

   

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