ギフトリワードの不思議

   

 三つ前のエッセイ記事で、


> とはいえ「更新頻度はあまり高くない」というのは漠然とした感覚に過ぎないので、9月分のギフトのリワード額が確定したら改めて、それら4か月の更新回数・更新文字数をチェックして、エッセイのネタにしてみようと考えています。


 と予告していた話です。

 本日夕方、9月分の「リワードを獲得」通知が届き、9月分のギフトのリワード額が確定しました。この機会に、今まで私がいただいたギフト4回についてまとめてみます。


 実は今回のエッセイ、元々は「ギフトリワードの換金効率」みたいな記事タイトルにするつもりでした。

 まず私は、カクヨムのギフト制度を他サイトの投げ銭と似たようなもの、と認識しています。他サイトの投げ銭制度にもあまり詳しくありませんが、例えば読者が1,000円投げ銭した場合、作者に800円入るサイトもあれば、500円しか入らないサイトもあるのですよね?

 私自身が利用している小説投稿サイトでも投げ銭制度の使われているところが一つあり、そこは明細が出ないので「おそらく」ですが、読者側の投げ銭額の8割か9割くらいが作者側に入る、と感じていました。この「8割か9割くらい」を換金効率として、カクヨムの場合はどうなのだろう、という話をしようと思っていたのです。


 話のスタートは、カクヨムのギフト1個の購入金額でしょう。

 ガイドラインの「『カクヨムサポーターズパスポート』に関する規約」によれば、パスポート会員のプランは3通りあって、480円が「本サイト内の掲出広告の非表示機能、ギフト1個」、740円が「本サイト内の掲出広告の非表示機能、ギフト3個」、1,700円が「本サイト内の掲出広告の非表示機能、ギフト10個」となっています。

 ギフトのみの追加購入では、1個150円で10個1,400円。

 ならば単純に考えて、480円プランの内訳は「ギフト1個」が150円なので「本サイト内の掲出広告の非表示機能」が330円。1,700円プランの内訳は「ギフト10個」が1,400円なので「本サイト内の掲出広告の非表示機能」が300円。

 間をとって740円プランの「本サイト内の掲出広告の非表示機能」を320円あるいは310円で計算すると「ギフト3個」が420円あるいは430円、つまり「ギフト1個」が140円から143円くらいになります。

 まとめて買えば少しお得。そう解釈すれば、ギフト1個あたりの購入額は150円ですね。


 では、今度は作者側に入るリワード額です。読者側のギフト1個が150円ならば、それが135リワードになれば換金効率9割、120リワードになれば換金効率8割と考えられるでしょう。

 例えば今日の「カクヨムリワード2022年9月分の付与と、失効について」の中でも、


>なお、ギフトからのカクヨムリワードの獲得は、そのギフトを受け取った月のカクヨム上での活動が多いほうが増えるようにしています。


 と書かれているように、作者側に入るリワードは一定ではありません。同じ150円のギフトをいただいても、例えば135リワードになったり120リワードになったりするようです。

 この条件に関しては、2022年2月24日のお知らせ『「カクヨムサポーターズパスポート」のご利用に関する質問へお答えします』の中で、さらに詳しく記されています。


>月間のギフトによる収益額を、当月ギフトを受け取った作家の皆様に分配するため、ギフトの単価は一定ではありません。

>またギフトを受け取った月の活動が多い作家の方には、多くの還元を行います。現段階では、限定近況ノートの投稿の有無と、作品の更新状況を加味しています。


 まず『当月ギフトを受け取った作家の皆様に分配』ですから、同じ月にギフトをいただいた方々次第の部分もあり、その点はどうにも出来ませんが……。

 後者の『限定近況ノートの投稿の有無』と『作品の更新状況』。これは簡単ですね。とりあえずギフトをいただいた月は限定近況ノートを更新するようにして、カクヨムにおける普通の投稿活動を活発にすれば、ギフトの換金効率は高くなるはずです。


 私の場合、4月、7月、8月、9月にギフトを1個ずついただきました。ギフトをいただいたお礼として、それぞれ限定近況ノートも投稿しています。

 最初の4月は、136リワードでした。換金効率としては、90.7%ですね。

 でも4月の私の『ギフトを受け取った月の活動』は活発ではなかった、と感じています。具体的に数字を確認してみると……。


『カクヨムを使い始めて思うこと』(4回更新、12,923文字)

『落選カレンダー』(4回更新、4,013文字)

『執筆月記』(1回更新、3,911文字)

『金魚の恩返し』(全4話、3,486文字)

『池のほとりで絵を描く女』(全1話、2,791文字)

『花泥棒は絵泥棒』(全4話、5,768文字)

 

 エッセイは「〇〇回更新」、短編作品は「全〇〇話」と表記しています。

 短編は一気に投稿していますが、例えば4話に分割した場合は4回更新として扱われるのではないか。そう想像して、こんな書き方にしました。

 合計で18更新、32,892文字。なんとなく感じていた通り、活発とはいえないカクヨム活動ですね。それでも90.7%なのですから、カクヨムのギフト制度は、かなり割の良い換金効率のようです。


 続いて、7月。同じく136リワード、つまり換金効率90.7%でした。

 その7月の私の投稿は……。


『カクヨムを使い始めて思うこと』(5回更新、16,454文字)

『落選カレンダー』(2回更新、2,086文字)

『執筆月記』(3回更新、7,374文字)

『パズルの銅像』(全2話、3,499文字)

『ツンデレ金魚』(全6話、4,484文字)

『仲直りのチキンドリア』(全3話、1,672文字)

『真夏に雪が降りつもる』(全1話、1,240文字)

『桃を食べたのは誰だ』(全1話、3,032文字)

『猿も財布を木に落とす』(全5話、2,143文字)

『グリーン企業』(全4話、2,517文字)

『ダブルデート』(全3話、1,661文字)

『あなたの夫が同じ階の住人と浮気しています』(全3話、1,576文字)

『密航者の中の密告者』(全3話、1,919文字)


 合計で41更新、49,657文字。4月と比べて更新回数は倍増、文字数で見ても約1.5倍でした。

 それでもギフトリワードは4月と変わりません。この程度の差は「同じ」とみなされるくらい、大雑把に区切られているのでしょうか。あるいは、他の『当月ギフトを受け取った作家の皆様』のカクヨム活動が活発だったのでしょうか。


 さらに、8月。少し増えて141リワード、換金効率94%でした。

 その8月の私の投稿は……。


『カクヨムを使い始めて思うこと』(3回更新、8,765文字)

『落選カレンダー』(3回更新、6,351文字)

『五重塔の涙』(全5話、3,186文字)

『置き去りにされた女』(全1話、3,994文字)

『私は彼を殺してしまった』(全8話、3,575文字)

『無限冷蔵庫』(全9話、3,460文字)

『幼女が探す迷い猫』(全4話、2,566文字)

『今日から私は大学生 ――タイムマシンに憧れて――』(全7話、6,125文字)

『その地球儀を作った時は』(全1話、1,797文字)

『お化け屋敷でアルバイト』(全8話、5,941文字)

『資産家令嬢の誘拐』(全3話、1,360文字)


 合計で52更新、47,120文字。確かに更新回数は4月や7月より多いですが、文字数で見ると7月より少ないくらいでした。

 通常のカクヨムリワードのアドスコアは文字数も影響してきますから、こちらも同じだろう、と想像しています。だとすれば、私の9月分のギフトリワードがそれまでで最高になったのは、それこそ『当月ギフトを受け取った作家の皆様』の影響なのでしょうね。


 そして、本日確定した9月分のギフトリワードですが……。

 それを記す前に、投稿活動の方を見てみましょう。


『カクヨムを使い始めて思うこと』(4回更新、12,772文字)

『落選カレンダー』(4回更新、6,682文字)

『囁く額縁』(全6話、5,142文字)

『蛍の惑星』(全5話、2,689文字)


 合計で19更新、27,285文字。7月や8月と比べて、ガクッと減りました。

 まあ数字を見てみるまでは「極端に少ない」という体感でしたが、こうして数字で具体的に見ると、4月と同じような更新回数。でも文字数で見れば、やはり4月の「32,892文字」よりさらに少なくなっています。

 だから今日まで「9月分のギフトリワードは少ないだろう」と思っていました。

 ところが!

 8月分よりもさらに増えて、153リワード。換金効率でみれば100%を超えました。


 ギフトリワード額そのものが高いことに関しては『当月ギフトを受け取った作家の皆様』の影響、つまり他の方々の活動頻度も少なかったからだと考えられますが……。

 換金効率が100%を超えたことに関しては、とても不思議です。そもそもギフト1個が150円という前提が間違っていたのでしょうか。だって投げ銭で考えたら、読者の投げ銭以上の金額をサイトが作者に払い続けたら、その点ではサイトの赤字になりますよね。

 そんなわけで「換金効率という考え方自体がおかしいのかもしれない」と思って「ギフトリワードの換金効率」という記事タイトルはめることにしました。

 でも換金効率であれ何であれ、こうして改めて数字でみると、カクヨムのギフトリワードはかなり太っ腹ですよね。まあ私の場合はギフトをいただける機会が少ないので、あまり影響もありませんが……。

 毎月いくつもギフトを受け取る方々にとっては、こういう換金効率みたいなものは重要なはず。これだけ太っ腹なのですから、カクヨム側で「カクヨムで稼げます!」みたいなアピールをするのも、あながち誇大広告ではないのですね。

   

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