カクヨムコン結果発表

   

 受賞した皆様、おめでとうございます。

 一昨年は5月28日、昨年は5月31日だった結果発表が、今年は5月26日。もっと5月末のギリギリになると想像していたので、結果発表の告知を見て最初に頭に浮かんだのは「案外早かったなあ」という思いでした。


 このエッセイでも書いてきたように、私は今回「第7回カクヨムWeb小説コンテスト」には応募しておらず、「カクヨムWeb小説短編賞2021」の方だけ。それも中間通過は1作品のみ。

 前回2020よりカクヨムコン短編は、メインである「短編賞」の他に、記念品のみの賞も設置されています。応募ユーザーの中には「コミカライズされる方は無理でも、せめて記念品のみの賞ならば受賞できるかも?」と期待する方々もおられたのではないでしょうか。

 私も少し、そんな気持ちがありましたが……。


 そもそも小説投稿サイトのコンテスト、特に書籍化や商業化などが関わる大きなコンテストでは、結果発表の前に受賞者には個別に連絡が届く、という噂がありますよね。書籍出版にしろコミカライズにしろ、商業作品にするのであれば色々と早く動き出す必要もあって、発表後に辞退されたり問題発生したりすると困るから、事前に確認しておくのだろう。私はそのように想像しており「ならば『記念品のみの賞』では事前連絡はないのだろう。結果発表のその日までワクワクドキドキできるのだろう」なんて考えていた時期もありました。

 ところが前回のカクヨムコン短編では、発表後にエッセイあるいは近況ノートで「『記念品のみの賞』でも事前連絡ありました」と公言する受賞ユーザーもおられた模様。

 だから今年、カクヨムコン発表予定のデッドラインである5月末日が近づくにつれて、もう私は諦めていました。「たとえ『記念品のみの賞』だとしても、既に事前連絡が来ていなければおかしい時期。何も連絡ないということは、落選確定に違いない」と。


 それでも一応、いわゆる一縷の望みというやつだけは持ち続けていました。「『記念品のみの賞』でもいいから、受賞したいなあ」と。

 特に、今年中間通過した短編は、私としては少しワケアリの特別な作品だったので……。

 今となっては未練がましいですが、その『特別』について少しここで書いておこうと思います。



 中間通過したけれど残念ながら落選した作品は、タイトルが『素晴らしい劇場』。カクヨムコン期間中の評価は★36、フォロワー3、応援25、PV104でした。

 2021年12月8日に投稿した作品ですが、そもそもの執筆は2021年8月20日から8月21日。カクヨムとは別の短編コンテスト応募用に書いた作品でした。

 WEB応募できるコンテストですが、小説投稿サイトで開催されたものではないので、いわゆる公募に相当するのでしょうね。毎回テーマを変えて、年に何回か行われているコンテストのようです。『素晴らしい劇場』応募回のテーマは「劇場」でした。

 そのコンテストに私はこれまで4回、合わせて7作品を応募しましたが、全て落選しています。一次選考にも通過していません。

 ただし『素晴らしい劇場』だけは、受賞の2つ下の枠「優秀作からは漏れましたが、それぞれに魅力があり印象に残った作品」に入り、2、3行の講評をいただきました。

 つまり私が応募した7作品の中では、これが一番良かったということ!

 自分でも気に入っている作品であり、いわば自信作。少しは評価されたと感じられて、嬉しいだけでなく満足もしていました。


 そんな作品だったので、今回カクヨムコン短編に応募する際も、私としては期待していました。短編公募でわずかとはいえ評価されたのですから、カクヨムでも受け入れられるかもしれない、と。

 実際、私が今回応募した中では最も★の多い作品となり、中間選考も通過。「やっぱり他で評価される作品は、カクヨムでも評価していただけるのだ」という感慨がありました。


 ……というような話は本来、中間選考に通過した時点で書くべきでしたよね。ところが、さらにその後この作品に、ちょっとした逸話が加わるのです。

 今から約2週間前、5月13日の出来事でした。その日の夕方、「小説家になろう」の第10回ネット小説大賞の一次選考結果が発表されました。

 このエッセイでは2021年11月27日の記事「今年はどうなる? カクヨムコン vs なろうコン!(2021)」にて、


> とにかく、カクヨムコンとネット小説大賞(なろうコン)の重複応募は、ルール上は問題ない、ということです。


 と記したように、今年の私は、カクヨムコン応募作品も第10回ネット小説大賞に出していました。

 もちろん重複応募以外の短編もありますし、長編や中編もありますから、応募作品数は凄い数になります。結局、第10回ネット小説大賞には合計204作品を応募して、そのうち8作品が一次通過していました。

 それだけならば、わざわざカクヨムで報告するような話ではないのですが、その『8作品』の中に、今回話題にしている『素晴らしい劇場』も含まれていたのです。


 いやもうビックリですよ!

 これまで色々なコンテストに応募してきたので、長編ならば、複数のコンテストで一次選考や中間選考に通過した作品もあります。中編ではネット小説大賞で複数回一次通過した作品があり、短編シリーズのそれぞれ別短編が違う回のネット小説大賞で一次通過したこともあります。

 しかし『素晴らしい劇場』のような単発の短編の場合、同じ作品が複数のコンテストで一次選考や中間選考に通過することは、今まで一度もありませんでした。

 ましてや今回の場合「通過したことある」どころか「現在通過中で最終結果は出ていない」という段階だったので、これで「複数のコンテストで同時に通過中」という状態になりました。

 まあ『一次選考や中間選考に通過』でカウントせず、最初の短編公募の『受賞の2つ下の枠「優秀作からは漏れましたが、それぞれに魅力があり印象に残った作品」に入り』も「評価された」として数に入れれば、この作品は合計3回、コンテストで少しは評価されたことになります。そんな見方をしてしまうと、ますます期待してしまうわけで……。

 上述のように「いまだに何も連絡ないということは落選確定」と思いながらも一縷の望みだけは持ち続けていたのでした。


 結果的には落ちてしまいましたが、約2週間『複数のコンテストで同時に通過中』という初めての経験が出来たので、なかなか面白かったです。

「もしもカクヨムコン短編で受賞したら、ネット小説大賞の規定に従って、そちらには『別のコンテストで受賞したので、これ以上の選考は辞退します』と連絡を入れる必要が出てくる。しかし、どうせ受賞できるとしても『記念品のみの賞』だろうから、それでネット小説大賞の選考辞退は少し勿体ないのでは……? いや、どうせネット小説大賞で二次通過できるわけないから、そこは問題ないかも……?」

 などという考えもチラッと頭に浮かびましたが、完全に「取らぬ狸の皮算用」でした。とはいえ、そんな妄想が出来る立場になるだけでも、貴重な経験だったのでしょう。

 様々なコンテストに応募していると、予想もしない出来事が起こるものですね。落選はしましたが、思った以上に楽しめたので、エンジョイ勢としては満足です!

   

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