ジャングルエリア_8
「ほら、ここならちょうどいいでしょ?」
トラの案内で、バスは休憩所の先にある広場に到着した。
「うむ、問題ない。キョウ達は戦闘準備にかかれ!」
「了解!」
隊員達がバスを降り、武器を構える。
「戦闘については移動中に話した通りだ。最初に我々が一斉射撃を行い、弾が切れたらバリー達に突撃してもらう」
「で、隊長達の準備ができたら一旦下がればいいのね?」
「そうだ。基本的にはこれの繰り返しで掃討する。サーバル達は我々の近くで撃ち漏らしたセルリアンを倒してくれ」
「わかった!」
「じゃあ、ゾナをこっちに呼ぶよ!」
「ラッキービースト、たんまついちとつうしん!」
<端末1通信接続>
「ゾナ、聞こえる?」
<聞こえるよー>
「セルリアンを倒す準備ができたわ。休憩所の先にある広場まで来られる?」
<あー、あそこね。オッケー、これから向かうね>
「気をつけて戻ってきてね。待ってるわ」
<はーい!>
<通信終了>
「さあ、後はゾナを待つだけよ」
トラがラッキービーストをバスの中に戻し、集中する。
「我々はここで見学させてもらうですよ」
博士と助手はバスの屋根に座り、暇そうに足をぶらぶらさせている。
「えー、博士たちは手伝ってくれないの?」
「必要なら手伝ってやりますが、ぶっちゃけバリーとホワイトタイガーだけでも過剰戦力なのです」
「それに我々はヘリコプターに乗ったり我々のバスの乗り心地を確かめに、おっと間違えました。お前たちにワクチンを作るために来たのです。戦うのはお前たちに任せるですよ」
「普通に本音が出たわね…まあ、確かにバリー達がいれば十分でしょ。見なさいよあの顔。やっと戦えるからワクワクが止まらないって顔よ、アレ」
カラカルが指差す先では、猛獣たちが待ちきれないという様子で準備体操をしていた。
「ところでキョウ、ライフルは使わないのですか?」
ライフルを背負ったままピストルを弄っているのを見て、ミミちゃん助手が上から声をかけてくる。
「ああ、小型セルリアンの大群相手じゃ相性が悪いからな。さっき貰った弾も小型セルリアンに使うにはもったいないだろうし」
返事をしつつ、ピストルの銃口の下に装着されたアタッチメントのスイッチをONにする。
ヘルメットのバイザーに[GUN1:CONNECTED]の表示が現れ、銃口を向けた先にシューティングゲームのように赤い照準マークが投影される。
右のホルスターにピストルを戻し、左のホルスターからもう一丁のピストルを抜き、同じ動作をする。
[GUN2:CONNECTED]の表示と共に、青い照準マークが現れる。
「これでよし、と」
右のホルスターから先ほど戻したピストルを抜き、両手にピストルを構えた。
バイザーの向こうに、赤と青の照準マークが浮かび上がる。
「ほうほう、二丁拳銃というやつですか」
「ああ。手数ならライフルより上だからな。制限も多いから滅多に使えるものじゃないんだが」
「では、これからじっくり見せてもらうですよ」
ドドドドド…と地響きのような音が近づいてくる。
<<おーおーおー、来たぜ、隊長!なんだこりゃ、100どころじゃねえな!!?>>
先頭をジャガーに似たフレンズが走り、その後を凄まじい量のセルリアンが追いかけていた。
「各員、構えろ!ゾナが通り過ぎたら射撃開始だ!」
「「「了解!」」」
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