ジャングルエリア_5

 がたつく道を進むこと数十分。


「あれがジャングルエリアの休憩所だよ!」


 ジャガーが指差す先には高床式の建物が建っていた。


「入口はこっちだよ。あ、トラにはいきなり近づかないようにしてあげてね。照れやさんだから、急に近づかれるとびっくりしちゃうんだ。まあ、みんなはミライさんみたいな人じゃないから大丈夫だと思うけど」

「わかった。気をつけるよ」


 階段を上がり、ジャガーが扉を開ける。


「みんな、戻ったよ!」

「おかえり、ジャガー…っと、さ、サーバ、ル!?ひぁあああ!いきなり抱き着くなあああ!!」

「にぎゃあああ!!」


 トラに抱き着こうとしたサーバルがひっかかれて転げまわる。


「はあ…はあ……えーと、あんた達がミライが言ってたジャパリフォースね?私はトラ。よろしく。とりあえず、サーバルみたいになりたくなかったら、無作法に近づいたりしないでね」

「むう、最近はトワが近づいても大丈夫だったのに…」

「え、園長は信用できるからいいのよ!」

「それより姉さん達の具合はどう?」

「大丈夫。あっちの部屋で2人ともガオガオ言いながらずっとトレーニングしてるわ」

「そうか、よかった」

「サーバルちゃん、大丈夫?」

「大丈夫!トラは優しいから、本気でやったりしないんだよ!」

「そこ!うるさいわよ!」

「あ、ごめんなさい」

「えー?そう言いつつも照れてるんでしょー?」

「サーバル、調子こいてると“裂く”って前に言わなかったっけ?」

「ハイ!すんませんでしたッ!」


「それで、みんなが来たってことは、あのセルリアン達を倒せるってこと?」

「うむ。しかし数が多いなら我々だけでは少し厳しいかもしれんな」

「そっか…ちょっと待ってて」


 トラが奥のテーブルに乗っていたラッキービーストとメモを持ってきた。


「ええと…『たんまついちとつうしん』!」

<<端末1、通信接続>>

「ゾナー、聞こえる?」

<<あ、トラ!聞こえるよ!>>

「ちょっと聞きたいことがあるんだけど、余裕ある?」

<<大丈夫!>>

「今ついてきてるセルリアン、どのくらいいるか分かる?」

<<うーん、結構いるかも。小さいのだけでも100体くらいはいそうかな>>

「だってさ。いけそう?」

「100か…かなり厳しいかもしれん。再装填の隙に迫られたらマズいな」

「そう…ゾナ、悪いけどもう少し頑張れる?」

<<まかせて!まだまだ余裕だよ!>>

「ありがと。無理だけはしないで」

<<わかった!あ、扇風機のスイッチ切ったか見てもらえる?>>

「ちゃんと切ってあるよ」

<<よかった!じゃ、何かあったらまた呼んでね!>>

<<通信終了>>


「ワクチンと治療薬が来るまで待つしかないか…」

「がお!」


 トラが少し表情を曇らせたところで、隣の部屋からトラとジャガーにそっくりなフレンズが入ってきた。


「ホワイトタイガーとブラックジャガーが戦えれば、バリー達もいるし100体くらい楽勝なのになあ」

「がうう…」

「うむ、戦えないもどかしさ、よくわかるぞ」


「ふふふ、困っていますね、博士」

「そうですね、助手。ここは存分に恩を売っておくとしましょう」

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