サバンナエリア_13

 食事の後片付けをした後、休憩所の外にテントを張る。

隊員のテントは個人用だが、フレンズ達の分は超大型で、皆で使える。

大型テントは流石にオオイヌには積めないので、バスの貨物室に積まれていた。


「サーバル、そっちを引っ張ってくれ!」

「はーい!せーのっ」


「できたーっ!」


 サーバル達と協力し、テントを完成させる。


「ずいぶん大きいわね」

「最低でも12人は入れるぞ」

「「入っていい!?」」

「ああ、中からも確認しないとな」


 サーバル達が目を輝かせながらテントに入っていく。

オレも後に続き、骨組みなどをチェックしていく。


「よし、問題なさそうだな」

「すごい!広い!」

「ちょっと広すぎて落ち着かないかも…」


 元々狭いところを好むアードウルフは少し落ち着かない様子だ。

しかしジャパリフォースに抜かりはなかった。


「ちゃんと仕切りもあるぞ?」

「あ…これいいですね」


 自由度の高い仕切りで、個室のような空間を作ったり、テント内を半分に分けたりすることもできるのだ。

一旦外に出て、寝袋やランタンなどの備品を取りに行く。


「みんなはテントを使わないのか?」


 ヒョウ達は休憩所で休む準備をしていた。


「ウチらはこっちに慣れてるからなぁ」

「こっちもなかなか快適なんよ」

「そうか。一応みんなの分の寝袋もあるから、良かったら使ってくれ」

「おおきに!」


 先にヒョウ達に寝袋を渡し、サーバル達のテントへ向かう。


<<おーい、キョウ!>>


 途中で声をかけられた。


「ルイス。なにやってるんだ?」


 相変わらず、ルイスはよくわからない機械を弄っている。


<<ああ、ちょっと調整をな。それ、サーバル達のとこに持っていくんだろ?終わったら少し手を貸してくれ>>

「わかった」

<<おっと、一応銃は持ってきてくれよ>>

「いるのか?」

<<念のため、な?>>

「わかったよ」


 片手を上げて返事をしつつ、再びテントへ向かう。


「寝袋を持ってきたぞー」

「これが寝袋…初めて見た」

「でも、これ暑くない?」


 確かにサバンナエリアは現在夏辺りの気温のようで、夜でも20℃以上はありそうだった。

だがやはりジャパリフォースの装備に抜かりはない。


 「この寝袋は2層構造だから、上の薄い方を使うんだ。それでも暑かったら下に敷いてクッション代わりにしてもいい。試しに寝てみな?」


 寝袋を敷き、サーバルが寝転がる。


「おお、さっきのビーズクッションほどじゃないけど、ふわふわでいい夢が見られそう…」

「だろ?こっちのランタンの使い方はわかるか?」

「大丈夫よ。このボタンでしょ?」

「正解。じゃあ、あんまりはしゃぎ過ぎずにちゃんと寝るんだぞ」

「もう行っちゃうの?」

「ああ、ルイスに呼ばれててな」

「そうなんだ…トランプとかあるから一緒に遊ぼうと思ってたのに」

「すまん、また今度な」

「はーい」


 用意周到だな!?と心の中でツッコミつつ、自分のテントに置いてきたライフルを取り、ルイスのところへ向かう。

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