8月19日(月) 補習再開
烈日赫赫。本日もまた快晴なりや。
ガタガタと揺られる車体。窓から射す陽光で視界は眩しく、けれど、稼働するクーラーのおかげでそれほど暑さは感じない。
…………まぁ、だからといって、この状況下で立ったまま眠りこけている幼馴染の姿には、さすがに畏怖を覚えるけどな。
なにせ、通勤ラッシュに差し掛かっているのだ。
まだ夏休みということもあり、学生の数が少ないだけ幸いであるが、それでも多くの社会人で混雑しており窮屈だった。
「はぁー……人の苦労も知らないで…………」
目を瞑り、こちらに身体を預けるかなたの様子を見ていると、ため息が零れる。
出入口のすぐ側――ドア横に付いた手すりと座席の壁との間に生まれた角の空間に彼女を押し込み、俺は自らの身体を壁にするように立ってあげてるわけだが……その気遣いも理解されてはいまい。
あーあ、四方八方から押されて踏まれてで、朝から大変だなー!
「……………………んあっ…………駅、着いた?」
「…………まだだよ」
「…………ん、ならもう少し寝る。……おやすみ」
…………本当に大変なんだからな!?
♦ ♦ ♦
「はよーっす」
「……おはー」
毎度おなじみの光景である手繋ぎ登校――もとい、寝ぼけたかなたを引率してここまで来た俺は、教室の扉を開けるといつものメンバーに挨拶をする。
「あっ…………おはよう……かなちゃん、蔵敷くん」
「二人とも、おはよう」
菊池さん、そして翔真。
電車要らずの近場住み組は相も変わらず到着が早く、覇気のない俺たちを出迎えてくれた。
「しかし……そら。ちゃんと遅刻せずに、補習に来たな」
ニッと揶揄うように、そう笑ったのは親友だ。
俺の夏休みの生活スタイルを知っての言葉なのだろうが……あまり見くびってもらっては困るな。
「俺を舐めるなよ、翔真。部活もちゃんと間に合ってただろ」
「それが不思議だよなー。五時に寝て正午過ぎに起きてる奴が、何できちんと学校や部活に来れるんだよ……」
疑義の念を抱く……というよりは呆れたように肩を竦めて彼は呟いた。
すると、話を聞いていた菊池さんが驚きの声を上げる。
「えっ…………く、蔵敷くんって、そんな時間に寝てた……の?」
「休みの時だけ、な。朝が早いときはちゃんと寝てるよ」
これでもちゃんと弁えているつもりだ。
六時間から七時間半――平日はちゃんと睡眠をとっているんだぞ。
……まぁ、生活リズムがまちまちで危ないって注意はされそうだけど。
「ていうか、俺よりも
俺ばかり、心外である。
そう抗議し、俺は一人の少女を指差した。
「そ、そうなの…………かなちゃん?」
「……夏は暑くて、ダルい。…………眠くなる」
などと供述しているが……ずいぶんと都合のいい話だな、おい。
「お前……『春は暖かくて眠い、秋は涼しくて眠い、冬は冬眠する時期で眠い』って、言ってるじゃねーか」
「それは……また、なんとも倉敷さんらしい発言だね」
「…………つまり、毎日眠い」
「やかましいわ!」
――そんな、いつもと変わらないやり取りの朝。
楽しく会話を紡ぎ、ともすれば予鈴は鳴り響いて、先生は教室へと入ってくる。
「皆さん、おはようございます」
まだもう少しだけ夏休みは続くけれど、一足先に俺たちの
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