* 早くも × 番外編 *

「ねぇ」

「なんだ?」

「これ、どう思う? 『作戦どおり×絶体絶命』って……普通このシーンから始める? これって一番最近の話じゃない」

「派手なシーンから始めて読者の興味を引く、っていうよくある作戦だろう?」

「それで尻すぼみになった挙句、尻切れトンボで失敗するパターンね」

「小説が失敗、な。俺たちが失敗するわけじゃない」

「それにしても、ちょっと目立ちすぎじゃない? こんなことばっかりしてたら一瞬で捕まるわよ。ルパン三世とか、オーシャンズ11じゃないんだから」

「……そういうことは言わないほうがいい気がする」

「やっぱり、カラス結成のシーンとかから順当に始めたほうが無難だと思うわ。『カラス×結成』とかって」

「そのまますぎないか?」

「近況ノートにコメントしてみようかしら」

「でも、それでこのNicoってやつが本当に俺たちの結成秘話とか書き出したら、なんか気の毒じゃないか?」

「なんで?」

「……いや、なんとなく」

「失敗するよりマシじゃない?」

「まぁな……お、そろそろ時間だ。ボスが待ってる」

「最近、盗みのペースが速いわよね」

「不満か?」

「まさか、退屈しなくていいわ」




「カーラースーなぜぬすむー、っと」

「盗むことに理由なんてないに決まってるだろ。ましてや、意味なんてあるわけがない」

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