アルスのパレット

作者 福山

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★★★ Excellent!!!

1970年代、英国。職も家も失ったクニヒコの前に現れたのは、やけに親切な画家アレクサンダー・リーだった。彼の言葉にのせられるまま、クニヒコはアレクサンダーの下で働くことになる――が、実はこの男、その性格も、舞い込んでくる依頼も、驚くほどの曲者で?

英国を舞台にした王道ミステリです。
その魅力は、アレクサンダーの掴みどころのなさにあります。芸術家という身でありながら、金に忠実で、謎めいた依頼をひょうひょうと解決していく。その一面だけ切り取ると、どこかドライな部分もあるのですが。一方で、ふとした瞬間に見せる叙情的な一面に、惹きつけられずにはいられません。

古き良きミステリの乾いた世界観もありつつ、キャラが生き生きと動き回る新鮮さもある。絶妙なバランス感がやみつきになる作品です。

英国ミステリがお好きな方、ぜひご一読ください…!

★★★ Excellent!!!

何か文章を読む時は腰を据えて構えるように飲み物を入れます。少なくとも片手は自由ですから。けれどページが無くなったときに自分の感じ取る力を疑い、冷めた飲み物で自分のヘタな勘繰りを流しました。これは気持ちがいい
気が付かなかったのですが、そういうことだったのか!と知った後にもう一度読み直していたんです。
たとえ力で知れることが人の内面であっても。それがの全てではなく、見えているところにも内面はあり、それは誰にでも感じ取ることがあると気付かされました。ストーリーの一つ一つが優しさと耐え難いリアルで、絶妙なバランスを好きになれる作品だと思いました

★★★ Excellent!!!

舞台は70年代の英国。仕事を探している主人公に、青年が話しかけてくるところから始まります。
言葉選びや台詞に英国小説の雰囲気がとても出ていて、きっとそういうのが好きな方は好きだと思います
ミステリーって言ったけど、ロジックもいいけど、私は、二人が事件を通して相棒になっていく展開が最高によくてむせび泣きました。そういうのが好きな方にもおすすめ