第122話 強烈!姫様の蹴り

間藤ジンの身勝手な発言に我慢が限界に達してしまい怒りが爆発してしまった涼の鎧やスーツから凄まじい温度の炎が吹き上がる。



「熱い!熱い!何だどうしたんだ!?」

「おいおい、ありゃヤバくないか!?」

「大変!レッドベリルが暴走してるんだわっ!」


レッドベリルは本来危険な宝石でもあり使い方を間違えれば身を滅ぼすと蝦蟇爺は言っていたけど…


「うぁぁぁー!!」

「ウガァァァァーー!!」


ルビティラの体からも炎が吹き出し始めた。


「おいおい!まさかルビティラもかよ!!」

「涼の暴走に共鳴したんだ!!」

「大変止めないとまずいわよ!」

「こんな所でやりあったら核爆発が起きてここいら一帯が吹っ飛ぶぞマジで!!」


ええ!?

それだけは阻止しなきゃ!!


「はぁーーーー!」

「ティラーー!」


涼は手からルビティラは口から熱光線を放つ。


「あぶね!」


間藤ジンは避ける。

当たった壁はドロドロに溶けた。


「こいつマジで俺を殺す気か!?」


アレを食らったらヤバイ!!何より、もし原子炉に当たったら俺も巻き添いだ。仕方ががないここは放棄するしかないか!


「こいガラクタ!」


間藤ジンが声を上げると彼の足元から黒い裂け目が現れ、そこから皇時也が使っていた、機械仕掛けの魔獣が現れジンを手に乗せた。


「機械仕掛けの魔獣(デウスエクスキメラ)!」

「お前逃げんのかよっ!」

「馬鹿とは付き合わないだけだよっ!バーカ!」


間藤ジンを乗せた機械仕掛けの魔獣は飛び上がり黒い裂け目に入り込み消えていく。


「逃すかっ!!」

「ウガァァァ!」


ルビティラは口から凄まじ熱光線を上に放つが交わされ天井を貫通した。

涼はルビティラに乗り込み黒い裂け目に飛び込んでしまった。


「うわ!涼が消えた!?」

「何処に行ったの??」

「おいおいいきなり迷子は勘弁だぞ!」


その心配はなかった。


ドッカーーーン!


地上から凄まじい地ひびきが走る。

黒い裂け目から機械仕掛けの魔獣とホウキュウオーSが飛び出した。


「テメェ!いい加減にしつこいんだよっ!!」


機械仕掛けの魔獣に乗り込んだ間藤ジンが機械仕掛けの魔獣を操作しデウスエクスは手を掲げると巨大なエネルギーの玉を作り出す。

その莫大なパワーはポーカーシティを壊していく。


「絶対に…殺すっ!!」


ホウキュウオーS(シングル)も巨大な火球をつく出す。まるで太陽そのものだ!


「「うぉぉぉぉーーーーーーーーーー!」」


互いに声を上げながら手に持ったエネルギーの玉を放つ。

凄まじいエネルギーの塊である2つはぶつかり大爆発した。爆風で周りのカジノや建物がどんどん壊されていく。逃げ惑う人々。


地下では地上で好き勝手に暴れてる2人の余波をくらい大変な事になっている。


「たく、好き放題にやりがって!!」

「涼の奴周りが見えてないのか!?」

「止めなきゃ…止めなきゃ。このままじゃ街の人々が!!」

「わかってるけどよ!こっちもドカンしたらヤバイんだろ!?」


地下にこんなヤバイ爆弾があっちゃまずい。


「とりあえず原子炉の電源を切るぞ!」

「電源あるのかよ!?」

「当たり前だ!必ずスイッチはある!」

「じゃあ、2人ともお願いね!」


アリシアは宝救聖剣を取り出し勇者石をはめ込んだ。


マジェスティ!ザ!宝救武装!


「お願いねって!?」

「オイ姫さま!!」


「宝救武装!」


アリシアは変身すると高くジャンプし涼が壊した穴から外へ行った。


「行っちまったよ…」

「2人でやるしかないな…」

「だな!」


2人も剣を取り出し勇者石をはめ込む。


ブラック!ザ!宝救武装!

バイオレット!ザ!宝救武装!


「「宝救武装!」」


2人は走りながら変身し動力部を目指す。

和樹はマスクに見える強い電気信号を確認する。

恐らくこれが動力部なんだろう。


「この部屋だ!」


カイエンは扉を蹴破り中へ入ると、巨大なタービンが回り沢山のコードと電気部品と稼働しているコンテナが原子炉と直結している。


「これだな!よーしぶっ壊してやる!」

「待て!核爆発したら。いっかんの終わりだ!」

「じゃあ、どうやって止めるんだよ!?」

「まあ、見てろ!」


和樹は真宝剣の先からチューブを放ちコンソールに接続すると、真宝剣から光のパネルとコンソールが現れ和樹はベルが作った人口宝石をはめ込みコンソールを目にも止まらぬ速さで操作する。


「凄いなお前な…」

「パソコン部を舐めるなよ!!」


パネルをいじる和樹。

次第に周りの機械の光が消えていく。

電源が一つ一つ止まり始めたのだ。


「和樹まだか!!」

「これでラスト!」


和樹がパネルのボタンを押すと部屋一帯の電源が落ち動力部がようやく止まった。


「と、止まったーー!」

「たく、手こずらせやがって…」

「で、問題のコイツはどうすんだよ?壊すか?」

「いや、壊すにしても核燃料をどうにかしなきゃまた繰り返しだ」


そう動力を止めても肝心の問題が解決しなきゃ意味がない。こんなもんほっといたらまた誰かに使われて同じ事の繰り返しだ。


ブルブルブルブル!


「ん?何の音だ?」

「通信宝石か?」


カイエンは剣にはめ込む。


「もしもし?」

「何してるでありますかーーーーー!」


ベルが怒鳴り上げ連絡してきた。


「ずっと連絡してるのに繋がらないし!こっちは今爆弾の嵐でありますよ!!」

「やっぱか…」

「わかってんなら早く帰ってくるであります!!」

「無理だこっちも大ピンチなんだ!」

「大ピンチ?どういうことでありますか?」

「涼が騒ぎの黒幕を潰す為に大暴走してるんだよ!」

「な、なんでありますとーー!?」


ベルはデカイ声を上げる。


「おまけにポーカーシティは核実験場のど真ん中だったんだ!!早くコイツを処理しないと大変な事になる!」

「涼が街もろとも吹っ飛ばす前にな!!」

「吹っ飛ばすって!?涼さんどうしたんでありますか?」

「キレちまってな。例の宝石が暴走してまずいんだ。だから戻れない!」

「こっちもやばいでありますよ。」

「のぶはどうした?」

「繋がらないんでありますよ!!」


地上から響く爆発音。


「とりあえずベル。この装置を安全に壊す方法はないか?」

「核燃料なんて私知らないでありますよ!!」


そりゃ魔界にないもんな。


「破壊したらどうでありますか?」

「それが出来ないから困ってるんだ。放射線が撒き散らされたら生き物はみな全滅だ!」

「その放射線を撒き散らしても問題ない場所で破壊したらどうでありますか?」

「簡単に言うな!何処だよ?」

「海とか?空とか地面とか?」


解決になってないだろ。


「いや、待てよ…空か…」

「は?」

「ベル。俺の剣には確かあらゆる調べ物をインプットしてあるんだよな?」

「そ、そうでありますが?」

「だったら、ワームホールが開く場所とか調べられるか?」

「え、はい。出来るでありますが?」


真宝剣には周りのエネルギーの余波を調べる機能もありそれを使えばワームホールが開閉可能な場所を特定する事が出来るのだ。


「わかった。カイエンをそっちへ向かわせるからな」

「何っ!?」

「じゃあな!」

「ちょっ!待つでありま…」


和樹は通信を切った。


「オイ勝手に決めんなよ!後、どうするつもりだ!?」

「ワームホールに原子炉を叩きこんで、その中で核爆発させる!!」

「何だと!?」

「そう言う訳だ。早く行け!」

「たく、馬鹿ばっかりだな本当に…」

「とにかく外へいくぞ!」


2人はとりあえず外へ向かう。


その頃地上では機械仕掛けの魔獣とホウキュウオーがぶつかり合ってい。


「テメェ、本当に殺人を実行するとはな…なら正当防衛だ!死ねぇやクソがっ!!」


機械仕掛けの魔獣は剣を取り出しホウキュウオーに斬りかかる。

ホウキュウオーは飛び上がり交わすと背中の尻尾を持ち手に先から熱の剣を作り出しふりかざすと熱の剣は伸び機械仕掛けの魔獣の右手を切断した。


「ぐわっ!?クソが。」


機械仕掛けの魔獣は切断した右手を左手に持ち傷口につけると腕は繋がった。


「あんま調子こくなよっ!!負け組がぁっ!!」


機械仕掛けの魔獣は翼を生やし空へ飛び出す。

ホウキュウオーSも身体から炎を吹き出し羽根を作り飛び上がると互いの剣をぶつけ合う。

ぶつけ合う斬撃が当たりを切り刻み火種は街に引火し家事があちこちで発生し始める。


「お前だけは絶対に許さない…絶対にここで殺す!」

「ヒーローが人殺ししていいのかよ!」

「黙れっ!!」


ホウキュウオーは翼の炎を更に巨大に凄い速さで剣を構えて突っ込んでくる。


「単細胞だな馬鹿がっ!!」


間藤ジンの機械仕掛けの魔獣は胸を開けるとそこからミサイルをホウキュウオーに放つ。


「そいつは2000ポンドだ。お前も街も消えちまいなっ!!」

「舐めんなっ!!」


涼は叫びホウキュウオーは巨大な火の玉を作り出し投げると放たれたミサイルは火の玉の中に入り爆発した。

火の玉は小さな太陽そのものだった為に熱で一瞬で溶かされミサイルの爆発は大した被害すらもたらさなかった。


「なっ!?核ミサイルをまるごと溶かしやがった!?」

「次はお前だ…」


ホウキュウオーはさっきより巨大な火の玉を作り出すその大きさは街1つ飲み込む程巨大だった。

涼はいわば太陽をそのままぶつけようとしているのだ。


「お前正気か!?そんな物をぶつけてみろ。こんな街消えるじゃすまないんだぞっ!!たった1人殺す為にそこまでやるか!?」


「言いたい事はそれだけか?」

「え…?」


ホウキュウオーの周りに小さな熱の玉が複数浮遊しそこから目にも止まらぬ速さで高熱の光線を放ち、間藤ジンの乗り込んでいる機械仕掛けの魔獣の両手両足を熱切断した。


「うわぁ!」


機械仕掛けの魔獣は街の中心部のカジノに倒れた。カジノのに居た人達は何が起きたか分からず逃げ惑う人々。


「お前…本当にヒーローか!?」

「いい加減にお前の声は聞き飽きた…」


ホウキュウオーは更に巨大な火の玉を複数作り出す凄まじい熱エネルギーは街全体を覆い尽くし周りの気温が上がっていく。

あんなものを放ったら軽くハルマゲドンである。


「ま、待て止めろっ!!正義の味方のする事じゃないだろ、それは!!」

「立場が変わればそれか?お前、最低だな!」


涼はそう言うと更に火の玉を巨大にした。絶対に奴を逃がさない仕留める為に。


「ひっ!!」

「死んで詫びろ…馬鹿野郎!!」


涼はコックピットから手を振りかざしホウキュウオーが作り出した火の玉を無残な姿になっり身動きが取れない機械仕掛けの魔獣に放とうとする。


「このお馬鹿ぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

「戯けが目を覚ませ!」

「「アレキサンドロスバスターフルバースト!」」


ブラキオダイオウが割り込みブラキオレールガンを最大パワーで放ち巨大な火の玉と一緒にホウキュウオーを空の彼方へ吹っ飛ばすと上空で大爆発した。

ホウキュウオーは空から煙をら出しながら落ちてくる。煙が晴れると目を回し倒れているルビティラと変身が解けた涼が立ち上がる。

目の前で機械仕掛けの魔獣から脱出した間藤ジンが血相をかいて逃げていく。


「待ちやがれ…」

「涼!」

「アリシア?」

「貴方何をしたかわかってるの??」

「どいてくれ、俺はあの野郎を!!」


涼は剣を引き抜き追いかけようとする。


「このお馬鹿!!」


ゴチン!


「あっ…」


アリシアはジャンプし涼の顔に思いっきり蹴りをお見舞いした。

ふわりと上がるスカートからかぼちゃパンツ?がチラリと見える。

言わなくていいわよ!スケベ!!色気ないなこの世界は〜五月蝿い!お馬鹿!

回想シーンを強引に終わらせるアリシア。


吹っ飛ばばされた涼は頭を街灯に思いっきりぶつけた。


「痛ってーーーーーーーーーー!!」


涼の頭に大きなたんこぶが出来た。

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