第111話 燃えろ!ルビティラ・ベリル!
「ミハ…」
ルビティラは衝撃的な光景を目の当たりにした。
驚きのあまり後ずさり、そして慌ててその場を後にする。
しかし…
「ぐわっ!!」
ルビティラは身体鎖でぐるぐる巻きにされ倒れた。
「カモ見つけたし〜」
「あ、ギャル魔!!」
「メリッサだし〜」
ギャル魔もといメリッサはルビティラを兵士達に引っ張らせ中に入る。
「あら、メリッサ?」
「おみあげだし〜」
兵士達がルビティラをアイカ達の足元へ投げる。転がりながらアイカの足元へ転がるルビティラ。
「なんですの?この怪物は?」
「アイカさん。貴女は馬鹿ですか?」
「ドクター!時期女王になんて口を聞きますの!」
だから時期女王じゃないって。
「これは、あのエルフの術ですよ!」
アッシュベルが懐から銃らしき道具を取り出しルビティラに向け引き金をひくと丸い光線が放たれるとルビティラに貼られていた膜の様な物が剥がれる。
すると認識阻害されていたルビティラの姿が光り輝く宝石獣に変わる。
「ルビーの宝石獣!!」
「あの眼鏡野郎、俺の術をかき消したのか!?」
エルフの術をかき消しすなんて。
「どうして今まで言わなかったのよ!」
「それが私達はただの魔物かと思いましたので…」
「確かにさっきまで醜い怪物の姿でしたわね。」
「そのエルフの力ですよ。どうやら人の思考回路に催眠をかける術みたいですね」
「だからこの宝石獣なの気がつかなかったのね!!」
今更わかったんですか。悪知恵以外はてんで駄目なんですね。
「これが宝石獣ですか?」
「あら、貴方は見た事ないわけ?」
「僕はずっと研究室にこもっていたからね。実物を見たのは初めてだよ。」
皇時也はルビティラに近づきしゃがみこむ。
「どんな構造になっているんだい?解剖させて下さいよ!」
「駄目に決まってますわ!コレは砕いて私のアクセリーにしますわ!」
「それこそヴァニティさんが許すわけないでしょ!」
「五月蝿いですわね!コレは砕いて私がアクセリーに使いますわ!」
「いや、僕の怪人作りに是非使いたい!」
「私のですわ!」
「僕は怪人クリエイターだぞ!」
「私は時期女王ですわ!」
聞いてて馬鹿馬鹿しいティラ。
泥棒女は相変わらずでこの変な眼鏡つけたロン毛も頭にくるティラ。
「お前達、一体何でこんな馬鹿な事をしたティラ!!」
「は?材料風情が時期女王に意見するとは!嘆かわしい!!」
「時期女王は姫ティラ!お前じゃないティラ!!」
「お黙りなさい!材料風情が!」
アイカはルビティラを踏んづける。
「痛ったーい!!」
「そんな蹴りじゃ痒いティラよばーか!」
ルビティラはあっかんべーと舌を出す。
「いいぞ!もっと言ってやれ!チビ助!」
茶々を入れるミハエル。
「貴様!」
「魔物に馬鹿にされるとは情け無い」
「皇時也!五月蝿いですわよ!!」
「はいはい、そこまで!」
間に入り止めるアッシュベル。
「意味ない争いより任務です」
「ですね、さすがドクター」
「そうですわね。この地は私が収めるには暑すぎますからね。さっさと氷漬けにして消してしまいましょう!」
「勝手な事言ってんじゃねーよ!これ以上氷が広がったら生き物達が!!」
「だから死に絶えたら私が新しく作り変えるの!」
アイカはそう言うとミハエルに剣を向けた。
「ミハ!止めろティラ泥棒女!!」
「材料は黙ってなさい!」
「お前はいつもいつも時期女王って本気でなれると思っているのかティラ!寝言は寝て言うもんだティラ!!」
「私は時期女王になる運命なの!時期女王に相応しい世界にするには色々と邪魔なのよ!」
「だからってむやみに殺していい訳ないティラ!」
「いいの!私は時期女王よ!!」
こいつ何を言っても無駄だティラ…本気で支配する事しか頭にないティラか??
「何が時期女王だ!お前が初代勇者の末裔なんて恥さらしもいい所だ!」
「何が女王だ醜い厚化粧がティラ!」
「私が醜いですって!」
「ああ、醜いティラよ!性根のクサッリきった醜い女だティラ!」
いいぞ!もっと言ってやれ!!
「貴様!私を本気で怒られせたわね!!アイスドラゴン!」
アイカに呼ばれ下を向くアイスドラゴン。
「時期女王に罵倒した事後悔させてあげますわ!」
「丸腰相手にドラゴンを向けるか普通!!」
「これは愚民に対する処罰。当然の権利ですわ!時期女王ですもの!」
いや時期女王ならこんな事するやつはいないだろが!
「お前本当に頭おかしいんじゃないか?時期女王はとうに決まったんだぞ!」
「貴様達を消したら時期にガネットも氷漬けですわ!そうすれば、いくら宝石神でもどうにも出来ないわ!」
アイスドラゴンの口から冷気が漏れ出し始めた。ヤバイミハエルを凍らせる気だ。
ミハエルは逃げようともがくが足が凍りついていて動かない。
「くっ!」
「ミハ!オイ止めろティラ!」
「放てアイスドラゴン!」
アイスドラゴンは口から冷気のブレスを放つ。
ルビティラは助ける為に縛りつけられた身体を奮い立たせミハエルを突き飛ばす。
「チビ助!」
ルビティラは忽ち氷漬けになった。
「あはは!自分から死に行くなんて哀れな材料ですわ!」
アイカは剣を引き抜き氷ついたルビティラに近づく。
「さあて、宝石商を呼んで腕のいい職人を紹介してもらわなくっちゃ!」
「お前チビ助を殺す気か!」
「材料は使う物。時期女王のアクセサリーになれる事を光栄に思いなさいな!」
アイカはそう言うと剣の刃を下に向け構える。
「止めろ!」
「死になさいルビーの宝石獣!」
アイカはそう言うと氷ついたルビティラに剣を突き刺す。
べちゃ
ん?べちゃ??
「アレ?」
アイカの剣は刺さっておらずなんと溶けている。
「熱っつ!」
凄まじい熱を帯びた剣を離すアイカ。
ルビティラの身体が真っ赤に光り輝くと氷がみるみる溶けていく。
「な、何だ?」
「お前達!もう許さんティラ!」
ルビティラは声を上げ氷が一瞬で全て溶けると身体に炎の模様がはいり両肩にキャノン砲が装備された。
「な、何なんですの!?」
「馬鹿な魔力封じの鎖が溶けるなんて!?」
「ウガァァァァ!」
ルビティラは真っ赤に光り輝くとどんどん巨大化していく。
「ああああ!?」
ルビティラは巨大化しアイスドラゴンの身体に噛みつき思いっきり上空へ飛んでいった。
「と、飛んだ!?」
「いつの間にあんな機能が!」
「感心してる場合じゃないわ!逃げますわよ!」
ルビティラは天井をどんどん突き破る。
「チビ助!とと氷が溶けてる」
ルビティラの熱で溶けたのだ。
ミハエルは慌てて部屋を抜け出し階段を見つけると駆け上がる。
グラグラ
「な、何だ?」
作業していた涼がそう言った。
揺れが激しくなると地面が破裂し中からアイスドラゴンを噛み付いたルビティラが地面から飛び出し監獄を破壊し外へ飛び出して行く。何が起きたのか理解できず慌てて作業場から逃げ出す囚人。
「こら脱獄するな!!」
破壊された壁から逃げ出す囚人達を追いかける看守達。
「今のはルビティラ!?」
「ああ、ありゃレッドベリルだ!」
「みて下さい!」
空から何か落ち地面に刺さる。
「あ!宝救剣だ!」
「ルビティラが飛び出してどっかから飛んできたんだ!!」
「何か咥えてます!?」
愛の発言に剣を引き抜いた2人も空いた穴から外を覗く。
ルビティラは地面に着地しアイスドラゴンを吐き出した。
「ギャアォォォーーー!」
冷気のブレスを吐きながら声を上げ飛び回るアイスドラゴン。
「何だありゃ!?」
「口から冷気吐いてるぞ!」
「そうか!あのドラゴンが元凶ですよ先生!」
「みたいだな!」
「でも何でしたから!?」
「魔人族が裏で糸を引いてやがったんだ!」
地下から上がって来たミハエルが涼達に駆け寄りそう言った。
「魔人族が!?」
「アレはアイスドラゴン。俺達はあのドラゴンの餌を掘らされていたんだ!」
「何だって!?」
「しかも、運んだ奴はデザートだぞ!」
マジかよ。
つまり砂漠が氷ついたのは愛のせいじゃなく、魔人族が飼っていたあのドラゴンの仕業だったってのかよ!?
「見てください!アレは!」
「あ、泥棒女だ!」
「アッシュベルもいるぞ!」
「後、ギャル魔と誰だアレ?」
涼達はまだ皇時也を知らない。
「何にしてもあのままじゃマズイぞ!」
「ですね!先生!」
「当たり前だ!俺達は戦隊だ!行くぜ!」
涼とコハクは宝救剣と勇者石を取り出す。愛も真宝剣を耳から取り出して大きくする。
「何処にしまってんだよ!」
「罠かと思って小さくして耳にさしておいたんです!ピアスみたいだから誰も気が付かなかったんですよ!」
「如意棒じゃないんだから」
今は西遊記の話はいいから!
「いいから早く変身するぞ!」
コハクがそう言うと皆勇者石をはめ込む。
レッド!ザ!宝救武装!
ブルー!ザ!宝救武装!
シアン!ザ!宝救武装!
「「「宝救武装(ホウキュウチェンジ)!」」」
三人の掛け声で剣先から光が吹き出し三人の身体に纏う。すると光は伸びて鎧とスーツとブーツを作り出し装着する。愛には肩当てがプラスされる、最後にパートナーを模したヘルメットを装着し変身完了した。
「よし、俺がルビティラを追いかけるから、お前達はまだ中にいる人達を非難させるんだ!」
「分かりました先生!」
「良しこっちは任せろ!」
コハクと愛はそう言うと涼と別れた。
「待ってろよルビティラ!」
涼はそう言うと壊された壁からルビティラを追いかけて行く。
一面銀世界の砂漠の真ん中で戦うルビティラとアイスドラゴン。
「ティラ!」
ルビティラは肩のキャノン砲からビームをアイスドラゴンに放つ。
アイスドラゴンは飛びながら交わした氷の球を吐き出し反撃する。
「ティラ!」
ルビティラは口から火炎放射を放ち相殺する。
「何をしてるの早く材料を破壊しなさい!」
「ふざけんじゃねー!」
涼が追いついた。
「あら、犯罪者じゃない!」
「それはお前だろ!」
「やあ、久しぶりだねホウキュウレッド!」
「お前はアッシュベル!と誰だ?」
「赤い奴かこの前会った別の色とは違うみたいだね。」
「他の奴ってお前はいったい?」
時也は気だるそうに口を開く。
「また説明するのか、めんどくさいから名前だけ、皇時也だ。以上」
は?何だこいつ??めんどくさそうによ。
「皇時也?お前この異世界の人間じゃないだろ?どう聞いても日本人の苗字だ!」
「あの黄色い奴よりは頭はマジみたいだね。そう、僕は未来から来た怪人クリエイターだ。」
「怪人クリエイター?」
「君のヒーローごっこの怪人の生みの親だよ」
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