10代から天涯孤独の私が老人になるとはどういうことか?
思い出一つ無いまま、老人になるとはどういうことか?
家族なし、友人なし、恋人なし、結婚なし、子供なしで終わった一回きりの人生……。
この世に会話の相手とメールの相手は一人もいない。
長い年月をかけて、命懸けで繋がりを求めたけど、誰とも繋がることはなかった。
出会えない運命と人生が死ぬほど悔しい。
人間の力では、どうすることもできない。
これは、神の領域だった。
無念極まりない……。
10代から天涯孤独の私が、このまま独居老人に突入したら、どうなるのだろう?
路上と牢屋を行ったり来たりの生活から、最後の気力を振り絞って抜け出したのに、結局、無念の死しか待っていない。
シャバの世界には誰もいない。
どれほど望んでもどうにもならない。
出会えない運命と人生が死ぬほど悔しい。
どうにもならないほどにどうにもならない。
生涯、誰とも出会えなかった。
それを考えるだけで、気が狂ってしまう。
何もできずに終わった一回きりの人生と、何も待っていない老後なんて、私にはとても耐えられない。
いや、人間なら、誰だって耐えられないだろう。
このままいけば、必ず、壊れる。
以前よりも凶悪に壊れる。
それを止める手段はない。
日本の老人は、みんな、良い思い出が人生のどこかにあるのだろう。
そうでなければ、あちらこちらで殺人事件が起きていないと辻褄が合わない。
何か一つ、思い出があれば、私も踏みとどまれたのかもしれない。
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