割り込み
コンビニで、買い物かごを持って店内を歩いていると、レジの方から、高齢男性の怒鳴り声が聞こえてきた。
なんかトラブったな……。
私は関係ないので無視して買い物を続けていると……、ずっと怒鳴り声が聞こえている。
鬱陶しいクレーマーやな……。
しばらくして、会計のため、レジまで行くと、まだ怒鳴っている。
店員は20代と見られるバイト君?と40代くらいのママさんパート?だった。
元コンビニ直営店店長として助けてあげたいけど、面倒なので無視していた。
だけど、目の前まで来たら、理由がわかってしまった。
結局、高齢男性と店員との間に私が割り込んで、店員に警察を呼ぶように指示した。
この人はクレーマーではない。
履いている靴を見てわかってしまった。
番号と名前が書いてあるので、どこかの精神病院から抜け出してきて、ここまで歩いてきたとわかってしまった。
今度は私に食ってかかるけど、会話が噛みあわない。
おそらく、この人は、高齢による認知症ではないだろうか……。
私のように絶望による精神破滅ではない。
認知症の精神患者と、元閉鎖病棟の解離障害者が、対峙している。
何という光景だろうか……。
周りに学生カップルでもいたら、私たち2人はどのように映るのだろうか……。
よりによって、今日は半袖なので、私の腕は見るも無残な傷だらけ……。
これでは警察官が来ても、どっちがイカれたクレーマーかわかんねえじゃん。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。