シャバでの天涯孤独と刑務所はどちらが苦しいか?

私は両方を経験している。

どちらが苦しいか、その答えを知っている。

もちろん、不確定要素がいっぱいあるので一般論ではない。

あくまで私の人生経験というだけ……。


『自由だけど、この世に誰もいない生活』と『自由を奪われるけど、誰かと暮らす生活』、どちらが苦しいか?


両方経験してわかったことは、圧倒的に前者の方が苦しいということだ。

しかも、生きていけないレベルでね。

ここで言う天涯孤独とは、家族・親族がいないだけでなく、友人や恋人や配偶者も、生涯、いないという意味だ。

もちろん、会話の相手とメールの相手も、生涯、いない。

牢屋暮らしは天国に思えた。

24時間、会話の相手がいたからね。

逆に、家族がいたり、友人や恋人や配偶者がいる場合、または過去にいた場合は、その結果も逆になる……。

そういう人は、後者の方が苦しいのだろう。

周りの受刑者を見ている限りでは、ほとんどが後者の方だった。

あそこから出たがっていた。

私はずっとここに居たい……と思っていたので、人の運命を考えさせられた。

別れ(出所)の日が来たときは、この世の終わりと思えるくらい、本当にツラかった。

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