スレダー(糸通し)
私の人生がボロボロに砕け散ったように、着ている服もボロボロに砕け散っていった。
服装を見れば、人生が見える。
人生が壊れると、身だしなみなんてどうでもよくなる。
靴下には何か所も穴があき、Tシャツがボロボロに破れ、ボクサーパンツとトランクス類は原型を留めてない。
それでも、新しい服なんか買わない。
もう、全てがどうでもいいからね。
だから、気力があるときに裁縫で縫い合わせている。
縫い針と手ぬい糸は大量にある。
残念ながら、スレダー(糸通し)は、すぐに紛失したり壊れたりしてしまうので、縫いたいときに、いつも無い。
コンビニの裁縫セットに入っている縫い針は、スレダー無しでも糸を通せるくらいに針の穴が大きいけど、ホームセンターで売っているような縫い針セットは穴が小さいので、スレダー無しでは糸を通せない。
細い糸はすぐに切れるので、あまり使いたくない。
だからと言って、ちょっと太めの糸を使うと、糸を通すときに、今度はスレダーの方が壊れていしまう。
今日も、いつものようにスレダーが無い。
残念ながら、スレダー無しでは、何度やっても糸が通らない。
それを繰り返しているうちに、気力が無くなり、何もできないまま終わる。
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