思い出貯金(関数で紐解く自殺と殺人までの距離)
警察庁のホームページを見ている。
交通事故に関連する速さと距離の資料を閲覧している。
空走距離は速さに比例。
制動距離は速さの二乗に比例。
停止距離は空走距離と制動距離の和。
(タイヤと路面の摩擦係数は書いてないからザックリ感はあるけど……)
y=ax²
関数で計算式を作るのは数学の授業になるので、今の私には関係ない。
家族崩壊するまでは成績はオール5だったから、出題に対して計算式を作り、XまたはYの値を割り出すだけなら、当時の私には難しい問題ではなかったはず……。
だけど、今は難しい難問に直面している。
立証は不可能で、論理的な説明はできない。
ただの感覚的な話でしかない。
難問のテーマは『人間(日本人)は、本当の孤独という状況で、どこまで正常でいられるか?(正常の定義は、辞書に書いてある通り)』だ。
関数を使って計算式にするとどうなるか?
解析は可能だろうか?
私が、この世で独りの天涯孤独に陥ってから、正常でいられたのは20年間だった。
つまり、Yは20だ。
私と同じ天涯孤独なんか、今の時代、世の中にはいくらでもいる。
ずっと独身で、兄弟姉妹がおらず、親が他界すれば、誰だって同じ状況になるからね。
ただ、私は10代から独りだから、そいつらとは違うね。
Yが20なら、今の平均寿命を考えると、自殺や殺人をする人間がこんなに少ないわけがない。
なぜ、他の人間は壊れないのだろうか?
なぜ、他の人間は安定した精神を保っていられるのか?
強い・弱いの問題でないことくらいは、よほど薄っぺらい人生を送っていないかぎり、わかるだろう。
(残念ながら、日本人はそっちが大勢だけど……)
答えはXの値にある。
ほとんどの国民が、当たり前のように家族がいて、当たり前のように住む家があって、当たり前のように友人がいて、当たり前のように恋人がいて、当たり前のように結婚できて、当たり前のように子供がいる、または、そのどれか一つでも経験したことがある恵まれた人生ばかり……。
そういう人生には、いろいろな思い出がある。
幸せだったこと、楽しかったこと、他にも、たくさん……。
そいつらが、自殺か殺人かの二者択一にならず、安定した精神を続けられるのは、そういう『思い出貯金』があるからだと推測している。
わかりやすく言えば、お腹いっぱいなんだろう……、または、ある程度、満たされているのだろう。
今は孤独でも、過去が充実しているのなら、自分の人生に納得している部分が大きいのではないか?
そうでなければ、私のように、ぶっ壊れるはず……。
それがXの値だ。
思い出が多ければ多いほど、Xの値は高くなる。
つまり……、停止距離(自殺か殺人かの選択を迫られるまでの時間)が長くなるのではないだろうか?
ああ、そうそう……、ちょっと当てはめてみただけだよ。
警察庁のホームページにあった交通事故の計算式にね。
意外としっくりきたんでね。
でも、こんなのは私にしかわからないだろうね。
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