部屋が血だらけになる
包丁で身体を切り刻んだ。
当然、血が流れる。
床にポトポトと落ちるし、激しく動くと壁にも散らばる。
出血に対する認識って、男性と女性で全然違うと思うけど……。
実際はどうなんだろうか……。
男は血を見るのに慣れていない……。
この30年間、仕事と拘禁施設以外で誰かと過ごしたり会話したりした時間の合計、全部足しても24時間いかない。
この10年に至っては、それが1秒も更新されていない。
もう、死ぬまで更新されることはないだろう。
私がこの30年間、毎日毎日、何度も何度も使った言葉たち……。
「孤独が苦しい」
「孤独に耐えられない」
「出会えない運命と人生が死ぬほど悔しい」
「なぜ、この世に会話の相手とメールの相手が1人もいないのか?」
「何のために生まれてきた?」
「何のための1回きりの人生だった?」
「どうすることもできないほどに、どうすることもできない人生……」
「日本人は自分さえ良ければ他人がどうなろうが知ったこっちゃない民族……。恵まれた環境でヌクヌクと生きてきた被害妄想者と、不幸の背比べをして意地でも勝とうとしたがるクソガキしかいない……」
出血も多量になると、だんだん意識が薄れていくね。
頭がスーッと軽くなっていく感じ……。
このまま気を失ったら死ぬだろうか……。
まぁ、どうでもいいけど……。
発見されるのは何カ月も先の話だ。
殺人事件の現場って、こんな感じだろうか……、見たことが無いからよくわからないけど……。
この匂いだけは、長く残りそう。
まぁ、実際にこの場にいないと、それは伝えられないけど……。
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