夜空の星座に思う

季節は冬、時刻は深夜、ちょっとコンビニまで行く。

往復20分の距離だ。

静まり返ったいつもの道を歩く。

空には、たくさんの星が輝いていた。

ここは田舎だから、都会では見られない無数の輝きがある。

今日も、夜空にはオリオン座の星々が輝く。

すぐに見つかる三ツ星と……、赤く輝く1等星、べテルギウスが見える。

小学生のとき、よくオリオン座を眺めていた。

あれから何十年が経過した今も、同じように眺めている。


私の1回きりの人生は何だったのか?

家族なし、友人なし、恋人なし、結婚なし、子供なしで終わってしまった。

この世に、会話の相手とメールの相手はいない。

誰もいない世界で、何もできずに終わってしまった。

やり尽くした結果、そういう現実しか得られなかったので、すぐに『運命』という言葉に行き着く。

時間は、あっという間に過ぎた。

随分と、死に近づいた気がする。


星の命にも限りはある。

寿命を迎えているベテルギウスは、いつ、超新星爆発をしてもおかしくない。

爆発で発生するガンマ線バーストは太陽系を直撃するだろうか?

約640光年という近距離で発生する超新星爆発が地球からどう見えるだろうか?

まぁ、いろいろ考える。

約640光年という時差が凄すぎて、今、肉眼で見えているべテルギウスは640年前の姿だ。

すでに爆発して無くなっている可能性がある。

ここから見える星々は、何もできずに終わった1回きりの人生との向き合い方に、きっかけを与えてくれるだろうか?

孤独すぎるほど孤独な人生だった……。

被害妄想者しかおらず、不幸の背比べをして意地でも勝とうとしたがるこの国の人間に、私は自分の話をすることはない。

ああ……、ため息しか出でこない。

コンビニに到着した。

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