復縁という幻想
あのとき、何気ないきっかけができた。
それを口実にメールを送った。
忘れられないあの人にメールを送った。
返事が返ってくる確率は、5パーセントくらい……と高く見積もった。
アドレスは変わっていなかったし、ブロックもされていなかった。
3年が経過している。
そろそろ楽しかったことだけを鮮明に振り返っている頃……。
私は、タイミングを図っていた。
もし、その人に恋人がいたら、私のメールは嫌悪感とともに削除されるだけ……。
この間、1度もアクセスしていない。
あのとき一生懸命追いかけていたら、その時点で、確実にシャットアウトされていただろう。
別に付き合っていたわけではないのに、復縁って、おかしな話だけど……。
相当、勇気がいる。
たとえ、返事が返ってきても、肯定的なものとは限らない。
それならそれでいい。
少しくらいは区切りがつけられるから……。
返信は来たものの、もう、それは私が望んだ内容ではなかった。
まさか、あれが最後の恋だったなんて、あのときはわからない。
人生が終わりに近づいて、それが初めてわかる。
才能が無いと、たとえ出会えたとしても、どうにもならないね。
まぁ、それも含めて運命なのだろう。
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