アニメ化を断った話。

作者 七瀬夏扉@ななせなつひ

自分が愛して生まれた作品。断る理由はそれだけで十分だ

  • ★★★ Excellent!!!

作品の一番のファンは誰だ?と聞かれれば、私は迷いなく作者だと答える。
悩んで悩んで生み出した我が子が、読者に評価され、書籍化され、より多くの人に知ってもらうのは喜び以外の何物でもない。……そう、思う人もいるだろう。

『ひとりぼっちのソユーズ』、カクヨム初期から存在する、愛された作品の一つ。
時間の都合で読んだことはないけれど、それでもいつか読んでみたいと思わせられるほど、多くの読者に愛された。
そんな作品に対する、いつか見たアニメ化という夢は、皆の想いは、心無い一言で傷付いた。

出版業において、この手の話は多くあるのだろう。作者だけが、このような目にあったわけではない。
だが、どうして許せよう。文章が悪いならば書き直せばいい。前後の展開が噛み合わないなら、補えばいい。……だが、作者の根幹である物語の構想を否定されたら、どうすればいい?

編集者も仕事だ。売れるものをより多く売る、そのために最善を尽くす。
だからと言って、何故わざわざ作者を傷付ける?アニメ化を断り悲しみに暮れる作者に、「書籍化は失敗だった」などと、何故必要のない傷を作る?
どれほど仕事ができても、相手を思いやれない人を、私は尊敬も憧れもしない。

とはいえ、これは結局作者の視点からのみ見たものだ。一方の視点からでは見えないものは必ずある。それでも私は、同じ立場にある者として、同じ夢を見る者として、作者に寄り添ってあげたい。

そう思わせてくれる、作者の悲痛な心の叫びを内包した作品でした。

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