We are Born.

作者 菖蒲あやめ

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★★★ Excellent!!!

種を結ぶ。亡びぬために。
無機質な銀色の懐胎。
宇宙を漂泊するその船に与えられた名は、かつて亡びた国の名前。

《彼》は、そこでは父である。
systematicで、けれど時にはユーモアを。
《彼》は、そこでは全てである。

種を継ぐ。亡びぬために。
……亡ぶ、とは。
いのちとは……?
頽廃のディストピアSF。この冷たい舌触りを、是非。

★★★ Excellent!!!


無機質なようで、ノスタルジーのような、そんな話です。矛盾している気がする二つの言葉ですが、読み終わると「どばり」と二つの気持ちが波として、押し寄せてきます。

初め、内容に驚きがあったものの、確かになぁと思わせる設定に、唸りまくりです。
必要でなくなった「性的欲求」に満たされたい女性たち。
宇宙船の脳である『父親役』ロボット。
この会話がなんとも言えず、何度か繰り返される罵倒の言葉に吹きかけます。

『当たり前じゃんあんた、莫迦なの死ぬの?』今後は自戒を込めて、しばしば再生ループするとしよう。
「……はは、ど変態じゃん」(引用)

虚無感に苛まれます。
人間は、どうしてそれでも生きたいんだろう。
考えさせる話をありがとうございます。