ダブルブッキングになるやつ

 私とカイさんのやり取りを聞いたのか、向かいからジンくんと笠さんの笑い声が聞こえた。

「カイさん、ソレ何回目?」

「もう手帳の習慣の方をやめた方がいいんじゃないですか」

 好き勝手に言われてる。カイさんはほがらかに肩をすくめながら、

「それもわかるけど、デジタルの世の中だからって、物事すべてをデジタルにしちゃうとそれはそれでリスキーだよ? 少なくとも僕ァそう思うかな」

「手元になければそれ以前の話では」

 ジンくん。ごもっともだね。

共有シェアできないし」

 と、笠さん。

 それでもカイさんはめげずに、

「ほら、こうして忘れても、家にはあって流出はないって安心感があるしさ」

「カイさんの『ああ言えばこう言う』のメンタル。見習いたいわー……」

 笠さん。気持ちがこもってないですよ。

「ところですのちゃん。週の後半ならきっと大丈夫なんじゃない? 先方から予定を聞いてみて」

 承知しました。なんだかんだでしっかり覚えていたんですね。さすがカイさん。

 それにもカイさんは笑顔で、

「いや、僕とすのちゃんはセットだからだよ」と言う。

 またいきなりのふい打ちな言葉に、私のカオがボッと熱くなる。

「そ、それってどういう……」

予定スケジュールすのちゃんのカレンダーで決めるね」

 そういうことですか!

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