ふたりで週末……?

 いつもの仕事のさなか。私のまわりは業務のあわただしさを引き連れたままで、週末に差し掛かった。視界のはるか遠くにあった太陽もまた、次第に低く低くうつろいでゆく。それにともない、陽射ひざしの伸びやかさにもかげりが出はじめ、空からゆうの色がうすれていった。

 あっという間よね。一週間。


 終業後、スタッフはみんなそれぞれのペースで退社していく。ぽつりぽつりと減り始め、奥のスペースに陣取じんどり静かにたたずんでいた事業部長は、そのスタッフを見送りながら、静まり返っていくオフィスのすみで窓の外を眺めていた。


 あれ、そういえばジンくんは?

「彼ならもう行ったよ」

 そっか。もうお呼ばれしていったのね。

「だから、僕らも行こうか。すのちゃん」

「あッ、はい!」

 ——少し、私の声が上ずる。

 カイさんと週末を一緒に。実は楽しみにしていました、なんて素直な言葉をはなってしまいたい。

「でも、カイさん」

「なに?」

「本当にジンくんたちの隣の席でむんですか?」

「まさか! そこまで野暮じゃないよ、僕は」

 よかった。ですよね。

「——その隣の店かな」

 あんまり変わらない!

「壁はブチ抜きだから直接監視OK」

 ひどい!

「そして!」

 ……そして?

提携アライアンスの株式会社アルトシーズの方々も一緒です」

 あ、コレふつうに仕事だ!

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