一平米のデザイン事務所

 笠さんとジンくんの間に一台のディスプレイが置かれた。二人の淡々としたやり取りとともに、ふたりの作業環境さぎょうかんきょう手際てぎわよく整えられていく。

「笠さん。情報共有用に外付けのディスプレイを置いときます」

「いい心がけだ。ケーブル伸ばしとくね」

 続いてジンくんの机上にバラバラと置かれていくガジェットのたぐい

 カレンダーやタイマーといったスケジューリング用の仕事道具をもちろん、彼の使い込んだキーボードにマウス、ヘッドセットにペンタブレットと検証用のスマート端末デバイス、そしてツールが詰め込んであるノートパソコン。

 さらにペンが余すことなく差し込まれた缶を二つ置く。

 それを見たカイさんが、

「お茶缶をペン立てに? おもしろいね」

 と言うと、ジンくんはクロッキーブックをかばんから出しながら元気に答えていた。

「試しにペンを詰め込んでみたらジャストフィットだったので。重宝しています」

 即席ながら、ごく短時間で組みあげられた彼らの作業環境さぎょうかんきょう。私たちCS班において、彼の周り一平米いちへいべいだけが彼のデザイン事務所でもある。


「さて。おかえりジンくん」

 久しぶりにここで四人が揃った。

「これでCS班が揃ったね。みんなで依頼者クライアントのカスタマーサクセスを目指すってことで、引き続きよろしく」

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