ほろよいオンマイウェイ

 私とカナはふたりしてほろ酔いのまま、無意識的に会計を済ませてお店を出ていた。夜の賑わいを遠巻きに眺め、駅の改札まで風にあたりながら歩く。固い歩道を踏みながら目を上げた先には、ほろ酔いの視界にもくっきりと輝く星空が映っていた。

 ——ところで会計はきちんと割り勘にしたっけ?

「済んだことはよくね」

 そうね。

「チヅ。カイさんが気になるなら連絡しなよ」

 また、そんな簡単に言うし。

「いってらっしゃいって言われたんでしょ」

 うん——。

 でも、ウチの職場って公私をキッチリ使い分けてるのよ。仕事とプライベートは別! ってね。

「ふーん」

 だから、夜はね。

 ホントはメッセージ一つ送って様子を伺ったりしてみたいな。


 すると、鞄から新着のメッセージ音。なんだろ。

 カイさんから。

『僕も飲み会ちうです!』

 はッ? カイさん? しかも写真付き。

『二日酔いで動けなかったら連絡します!』

 ……明日は休みでしょ。


 うちの職場の人って、

 公私をキッチリ使い分けてて、分け……わ…………わけ。


『ごめん! 酔っぱらっちゃってつい……!』


 カイさんさあ……。

 いつも絶妙なタイミングでイメージを崩してくる。ホントどうしてくれようか——うん?

『今週もおつかれさま。感謝していますから』

 よし、許した。

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