聖職者の条件

作者 七海 まち

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★★ Very Good!!

その日常の中に潜む、本質的な謎。

「愛」とは何?  「知恵」とは何?
「恐怖」とは何? …「自分」とは何?

「思考」する事は、それすなわち最大の快楽である。

非常に緻密に練り込まれた世界観の中で
天才だけど「頭でっかち」へっぽこお坊ちゃんな主人公と
あっさり本質見抜くけど、どこか危なっかしいヒロインが
ゆっくり時間をかけて紡ぎ出す、人の本質を覗くストーリー。

そして、巫女失踪事件の真相とは?!

単純な異世界ファンタジーではない
重厚な異世界ファンタジーをご所望の方におススメです!


★★★ Excellent!!!

本作に対して私は、「筆者の棲む物語」と考えたことがあります。
それは、『女神の籖』というエピソードを一話だけ読んだ時のことです。
もちろん作者がおうように顔を出してくるという意味ではありません。
作者が、まさに異国のこの街に住んでいるがごとく、自然と物語に溶け込んでいるということです。

最新話まで楽しませていただき、あらためて感じました。

やっぱり、この物語には作者がいる。
そして、頬を軽く上げて手を振ってくれると。

その要因はなにかと考えました。
まず、教会や西洋の様子をあますところなく、かつ適切な分量で書かれているうまさ。
そして、昨日まで他人同士だったミアとフェオドールの「聖婚」と、「聖婚」にまつわる新しい生活において、よい温度感でかわされる議論の数々。そのあとの、中和。
ミアというヒロインの真っ直ぐな性格。読んでいて感じる、秋の高天のようなすがすがしさ。

作者はもしかすると……勝手な推論かもしれませんが……こんな街に住み、ミアのように振る舞った経験があるのかもしれません。あるいは、ミアのようにありたいと強く願っているのかも。

その願望の力が誰よりも強い。
誰よりも筆と直結している。

だから読者は、この物語に筆者のエスコートを覚えるのでしょう。
教会のある暮らしを、そして目新しい儀式の中を、爽やかで情熱的なキャラクターの間を。

読者たちは、筆者に丁寧に引かれながら進んでいくことができる。
非常に才気の感じられる作品です。

★★★ Excellent!!!

大聖堂で繰り広げられる、伝統の儀式の復活を巡る謎と陰謀。
主人公フェオドールと巫女のミアのぎこちなくも不思議な関係と、二人を取り巻く人間模様。

教会システムや登場人物のしっかりした設定と描写、そして、読みやすい文章で、物語の世界に引き込まれます。

話はこれからどんどん発展するようなので、続きを期待しています!

はやりの異世界ものとはひと味違う、七海まち先生の純文学風異世界物語をぜひあなたも楽しんでみてください!

★★★ Excellent!!!

まず始めに、本作が好きすぎるあまり語彙が崩壊していることをお許しください。

さて。
ファンタジーと言えば、異世界で冒険するライトノベルが躍る昨今ですが、この作品はガチガチに堅牢なハイファンタジー。
魔法や超常的なものも無い。
日本ではないどこかの歴史と常識と出来事が綴られている……という感覚が近いかも知れません。

登場人物にはそれぞれ思惑と建前と本音、歩んだ人生が垣間見え、生きている人がそこにいます。
たとえば、バイブルの解釈が個人個人によって違うとか、過去の出来事に関する見解もそれぞれにあり、複雑な人間模様があります。

教義も完璧、教会のシステムやそれに至るまでの歴史も語られていて、説得力があります。

ああ、★が100くらいつけられたらいいのに。