無能力者の真価とは~『相棒は古代龍(エンシェントドラゴン)でした~(旧無能力者でも勇者です)
とりあえず、まず、こういう題名は私は本来なら見向きもしないのだが――つい本の帯の「本格カードゲームファンタジー」という不思議ワードに惹かれて読んでみることにした。
みなさんはカードゲームにおけるバニラという種類をご存じでしょうか。
なんの効果も持たないカードのことをバニラと呼び、この物語の主人公はバニラを駆使してカードゲームで地区マスターを目指します。地区マスターは4才の幼女。うん。何故カードゲームで4才に勝てない。
でまあ、相棒もまたバニラのモンスターなわけですが、そこそこ能力値とコストも高めのモンスター。強いかと言われると、大体能力が特殊な敵に窮地に貶められます。では、どうやって敵を倒すのか。主人公は一度でも負けると死にます。カードゲームなんで簡単に死にます。実はサポートカードがかなり特殊でバニラのモンスターに対してトリガーする能力なのですけれど、またこれもまた古代龍限定という悲しさもアリ。それでも最初はなんとか勝てていたのですが、徐々に相手も強くなり(相手はみんな子どもなのですが)心理戦を使うようになります。
「俺がバニラだけだといつから錯覚した?」
「このカードが『天中殺』であった場合、お前の負けは確実となる」
だから、子ども相手なんだってば!
なんとも言えぬ――
では、この小説から何を学べたのか。
ラノベから学ぶことなど何もない!
ラノベは学ぶものなんかじゃねえんだよ。
ラノベはなあ! 俺たちに何かを教えるんじゃねえんだ。俺たちに何かを気付かせるきっかけをくれるもんなんだよ!
最近のラノベはとんと伝えたい何かがよく分からない。でも、きっとこの作品は何かを伝えたかったのだろう。何を伝えたかったのかは私にも分からない。
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