グリーンエルフ

森に住む者1




「ったく、早く言うのら、そんなにパンツが見たければ我のやつを見れば良いのら」



「嫌、待って下さいグラタン様、それならば私が!」



「ん? ならばどちらのが観たいらか、エージに聞いてみれば良いら」




「「どっちのが観たい?」」





 な、なんだこの天国でされるような質問は――




 間一髪、俺は地面に叩きつけられてミンチになる前にグラタンの背に戻れたのだった。


 そのままその場に降り、グラタンも人の姿に戻る、大きな木の木陰で今後の進路を決めようと話していた矢先のことだった。




「あの、グラタン様、姫様、こんな奴にそのような質問はタブーです」



「なんでらか?」



「そうです、減るものではないのですから、それに私は、あんな恥ずかしい事まで見られて......」




 マリジューレの突き刺さるような目線は久しぶりだった。




「そ、そ、そうだぞ、お、俺はそこまで変態ではない、早く次の場所へ行かなければ」



「なんか言い方がおかしいら......」



「うん、なんか棒読みのように聞こえます」




「はい、それはそうと、魔王の討伐へと急ぎましょう、姫様、グラタン様」




「ふう」と、板挟みのような状態から脱出できた事に胸を撫で下ろす、




「次はやはりあそこらか?」



「ですね、あの森」



「我はあの小娘とあそこの森は好かんのらが」



「でもあの方にもお力添えを頂きたいのです」



「まあ、いいのら、我も帰る場所が無くなったわけらし」




 俺達は次の場所、迷いの森へと足を運ぶ事になり、再びグラタンの背中に乗ると、飛び立った。



 まるで飛行機から見下ろすような景色、やはりファンタジーの世界と思わせるような広大に広がる緑。




 ただ――




 風を遮るものがない、ダイレクトに受ける風は快適な空の旅とはいかなかった。




「おいバカ勇者、絶対顔上げるなよ」




「わかってるよ」




 マリジューレの声で伏せている顔を上げる。




「水色と白、か......」




 水色の綿生地に白い円、まさに水玉だ。


 かなりの風を受けて、エリザとマリジューレの短い丈のスカートは舞い上がる。


 顔に似合わず、この下着のチョイスがなんとも興奮させられる。




 案の定彼女のヒールが額にめり込む、




「だから見るなと言った筈だ!」



「私はべつによろしいのですが」



「ああ、ズルいのら、我もパンツ見せたいのら」




 ピンヒールが額を抉る、グラタンが駄々をこねる子供のように左右に体を揺らす。




「ちょ、おいグラタン」



「お静まり下さい、グラタン様」



「降りたら我のも見せるからなのら」



「は、はい、分かりましたから」




 なんとか揺れが治ると、マリジューレのヒールも俺の額から下ろされた、左手の甲でスカートの裾を押さえるが、小さな白い生地はまだ俺の視界に入っていた。




「はーもう、スボン履きたい!」



「マリジューレ、そんなに嫌なら風の魔法でなんとかすればいいんじゃね?」



「う、る、さい!」




 再びヒールが額に刺さる、よく見るとマリジューレの目線はエリザに向けられている、この女もエリザのが観たいがために、魔法を使っていないのか、




「お前だってエリザのパン――」




 言いかけたところで俺は強く蹴り飛ばされた。



 再び俺は無重力状態、




「キャー、エージ様ぁ?」


「うぅわぁぁぁああ」



「おい! 何でまた落ちてるのらかー!」



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