赤い戦士15




「やめるのら!」


「姫様を傷つけるのは、私が許さん」



 熱風が全ての氷を溶かした、気がつけば傷が無くなっている、声のある方を見ると、炎の鳥と化したグラタンが翼を振り下ろしている、その隣でマリジューレが槍を構えていた。



「二人の共同技なのら、名付けてファイアウインド」


「グ、グラタン様」


「ラムレ、お前はクビなのら、エリザまで傷つけて......なんでそんなふうになったのら!」


「わ、私は、私は......」



 見るからに普通ではない、ラムレは人の姿に戻るとキョロキョロと目を泳がせ、頭を抱えた。



「ラムレ! 言うのら!」


「やめろグラタン、今はそんなに追い詰めるな」



 悪い予感は的中した「ギャー」という叫び声と共にラムレの体は氷漬けになる、みるみるとその周りまで凍り始める、グラタンとマリジューレのファイアウインドをもってしても溶かすことができない、



「我の背に乗るのら」



 不死鳥の体の燃え盛る炎が消えると、赤い鳥の輪郭が現れた。俺たちはグラタンにしがみつくように背中に乗った。



 一瞬で空高く舞い上がる、下に見る神殿は氷で固まり、太陽の光を受けて綺麗な反射をさせていた。



「皆、ラムレがすまなかったのら」


「いや、大丈夫っすよ」


「ハイ、それより彼女のことが気になります」


「ラムレはもうダメら、あの魔法は自爆の魔法、万年氷。彼女はあの氷の一部になったのら、あと数万年は氷は溶けない、溶けたと同時にその凍った全てのものと同時に彼女も溶けて無くなるのら」


「そっか......あんな綺麗で巨乳な人が、せめてパンツの色、見てからにしてほしかったな、なんか勿体ない」


「貴様の頭の中は、そんな事しかないのか、変態勇者!」



 マリジューレの手が俺の首元を掴み、グラタンの背中から落とそうとしている。



「ん? ラムレのパンツらか? あいつは黒と赤しか持っていなかったら、小さくてスケスケで、エロいやつが好みだったようらぞ」






 ――ま、まじっすか......



 目を閉じラムレの姿を必死に思い出す。



 マリジューレの手から力がなくなり、そのまま俺は無重力状態になった――



「マリジューレ、何をしているのです!」


「おい、何で落ちてるのら!」






 目を開いた俺は遥か上に大きな不死鳥を見ていた――――







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