第十一話 たりないもの
空気はどこか
「おう~っす
「ああ、
この
やはり
「さっき、
「そうか。もし
「やめとけ、また
とはいえ、
「東か……」
一刀斎はふと、
『
それは、
伊東での
──ヒュッ。
「ほおう、しっかり
「いきなり
小石
だが松軒は、ケロッとして
「今、なんか考えてたろおお前さん」
その
剣を振るうときは無心に、という
「
「いいや、
「
そして、
「
「
「この
「──なあ一刀斎、
「
その
「……お前さんは、才気がありすぎるんだなあ」
「なに?」
「お前は
「理解……?」
はて、と自らの剣を
「……ふむ」
思い当たるものが、なにもない。そんな一刀斎の様子を見て、「だろうなあ」と
だがしかし、
「――
「ああ」と、松軒は
「新左衛門はお前と違って才能がねえ。だからひたすら
それが、柳生新左衛門という男であり、松軒いわく、「理馬鹿」だという。
「どうすれば剣は斬れるのか。どうすれば身体は斬られないのか。どう心を向ければ良いか。アイツはよお、
「それは……」
当然、答えられると思っていた。だがしかし、言葉が続かない。
自分がどうやって斬っていたのか、サッパリ分からない。
「……松軒も、「どうすれば」が分かるから強いのか」
「──新当流にはな、夢理ってもんがあある。
松軒が、目にも
「
コロコロと
この松軒も師と同じように、のびのびと剣を振るっている。松軒や自斎だけではない。柳生新左衛門だって、その剣を
「いいかあ、人ってのはな、出来ることしか出来ねえ。だがな、何が出来るかは、知っていなきゃ出来ねえ」
キィィィィン!
「──この通り、お前は一撃だけなら止められるこたあ出来んだからよお」
「……
その
「……
だが松軒は乗ることはなく、「それくらい言えりゃあ問題ねえなあ」と剣を
どうやら松軒は、自斎や新左衛門とはなかなかどうして違うらしい。
彼らは剣に
ならさて、この
「
どうやら本当に
「おうおう、どうしたよお鉄之進。大事たあ何事だあ?」
ここまで走ってきただろうに、
「
いつものように、
「
その「雲江」という名はには聞き覚えがあり、なにより、馬に跨がり片手に槍を携えているその姿は。
「いかにも、おれが一刀斎だが、いったいなんの用だという!」
「知れたこと、我が
賢佐。それはつい先日、あの
仇、ということは。
「あいつらは、
「
賢達の言葉には、
「この荒れが収まり
「一騎討ち、ねえ……」
「確かに
「うむ、うむ」
一刀斎らが来るまでその場で見張っていた
「どうするよ、一刀斎。あちらさんはやる気のようだが」
「どうもこうもない」
あの男は、己に勝負を
そして、あの男は
ならば。
一刀斎は、秋の
「
甕割を引き抜き、騎馬武者雲江賢達へと向ける。
相手は
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