第98話 やだねえ

 やあ、おいらです。


 いよいよ、お代がわりが近づいて来ましたが、絶対に大晦日とかと一緒に思っているバカどもが大勢いて、カウントダウンしてさあ、渋谷のスクランブル交差点で大騒ぎするんでしょうね。あんまり警視庁の警備について、ニュースをやらないけど、準備してるのかねえ。バカを甘く見ちゃいけねえ。


 TVもさあ、まあ、普段からあんまり観ていないんで、今回も観なけりゃいいって話なんだけど、土曜日あたりから『平成という時代』『陛下と美智子皇后』『池上彰の平成を斬る』『平成大事件簿』『平成災害史』『ビートたけしの平成タックル』『平成を彩った女性たち』『平成最後の大笑い』『平成の名曲カウントダウン』など、ああ、全部おいらの想像したタイトルですよ。観たかないねえ。普通の番組をやってくれ。絶対に観ないけど。

 どうせやるなら『平成紅白歌合戦』だね。まずは覚醒剤で逮捕されたことのある人が作詞作曲した『世界でひとつだけの花』を急遽再結成したSMAPが歌うんだ。で、クスリで捕まったことのある、和田アキ子や研ナオコ、不祥事を起こしておきながら平然とTVに出まくっている歌手たち(だれかわかんないけれど)が歌いまくり、布袋やら、B’zの松本やらがギター弾きまくって、YOSHIKIが医者に止められているドラムを叩きまくり、サザンだの、なんだの、そうだ、ミスチルも出や。日本最大の歌のお祭りだ。ユーミンと桑田佳祐はキスじゃなくて、ヤっちまえ。原坊は笑って見とけ。番組が終わったら、殴る蹴るしてもいいよ。もうこうなったら、天界からも歌手が舞い降りて来てさ、hideともう一人名前知らんけど、が合流してX JAPANのオリジナルメンバー復活で紅に染まっちまえ。尾崎紀世彦が『また逢う日まで』を歌えば、「もう、会えねえよ」とヤジが飛び、尾崎豊が出てくれば『気絶するほど悩ましい』ってCharが歌うの。ああ、Charは生きているよ。赤組は岡田有希子が『くちびるネットワーク』で登場。脳みそ、飛び出してないよな。そして本田美奈子が池江璃花子や岡村孝子、その他、日本中で白血病と戦っている人にエール。でも、ご本人は亡くなっちゃっているから複雑な心境だ。さあ、ちょっとしんみりしたところで、八代亜紀の『舟歌』だよ。おいら、入れ歯だから、炙ったイカは硬くて食えない。柔らかいツマミをください。しみじみ飲めばしみじみと〜ってダイエットコーラだけどね。ダンチョネ、ダンチョネ。さらには美空ひばりが「みやこ〜」って生方アナに(わざと)間違えられて登場し『川の流れのように』を絶唱。最後はみんなで、サブちゃんを呼んで、『祭り』だ。サブちゃん、大絶唱。あまりにエキサイトして脳溢血で逝去。その時、令和の鐘が鳴る。おい、『ゆく年、来る年』じゃないぞ!


 という平成最後の日に、おいらは精神病院に行くんだよ。なんだかなあ。

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