第10話 春の無気力月間、始まる

 やあ、おいらです。


 今年も来ましたよ。ヤマザキ春のパン祭りと一緒ですね。

 洗濯をしたんですよ。

 でもね、外に干す気力が出ないの。それで、ああ、また今年も来たかと気がつきましたよ。

 普通の“おともだち”の皆さんは春になると、脳みそにスイッチが入って、街に繰り出してさあ、まあ、言ってしまえば迷惑行為をはたらいて、お店から突き出されたり、お巡りさんに捕まって、身元を調べられてですねえ、病院の方へお帰りになるのが定番のコースみたいですけどね。


 もともと、おいらの場合は、はしゃいだり、暴れたりはしないんで、他人が見るぶんにはさしたる変化はないと思いますけれど、おいらの心の中には、何となく重いものが詰まった麻袋が、一つ、二つ……と、どこからか持ち込まれていく感じなのです。気象予報士のヒライさんの見立てでは、今年は去年ほど酷い事にはならないということですが、あの人の予報は全然当たらないので有名ですから、折りたたみの傘を心に用意しておきましょう。しかし、当たんねえよな。


 そんな状況にも関わらず……ああ、おいらも後藤真希と不倫したいなあ、と思ってしまう、このジジイ。

 いえいえ、決してイヤラシイ意味ではありますけれど。「あれ? おいら、なんか変なこと言ってます?」「言ってます」。

 冗談はさておき、なんかですねえ、彼女は前世からの宿命でしょうかねえ。かわいそうなほどの不幸な運命みたいなものを背負っているでしょ? 具体的なことを書くのは面倒だからさ、肉親とかなんとかとしか記さないけど。本当に哀れだ。

 その苦しみを、今はちょっと無気力月間の最中なんで無理ですけど、おいらが隠し持っている、ハッピーパワーで癒してあげたいなあ。違う! ハッピーターンのハッピーパウダーではない。いやあ、これは言うなれば、スピリチュアル・セラピストだわ。わははは。


 皆さま、今ちょっと前までの文章は、おいらの別人格が勝手に書いてしまったものです。お見苦しい文章をお見せして、大変申し訳ございませんでした。


 春の空は、晴れていても、なんか靄がかかっていますね。春霞というんですか。そうですか。なんだかスッキリしませんね。では一句。


 春霞頭もかすみ目もかすみ


 川柳だな、これは。


 ああ、もう書くことないですぅ〜。だって無気力なんだもん。


 そうそう。貴乃花の突然の変節。あそこまでして、本当に選挙に出ないなんてことがあるんでしょうかね? 花田一族ってのはさあ、ある意味では戦後の大相撲の立役者であり、功労者であり、庶民のヒーローであったわけですけど、別の角度から見ると心に狂気をはらんだ、おかしな人たちですよね。血の繋がってない元嫁たちまでおかしくする、すごい血脈だ。いい人に見える、花田虎上だってさあ、本心は、どうだかねえ。あんまり、マスコミも、あの人たちを追い立てなきゃいいのにさ。半分はからかいの対象ですよ。差別と言ってもいいかもしれない。まあ、元を正せば、大相撲自体が異形の人間の集まりですからねえ。何ともはや。

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