第88話 BLACKフライデーのモール

忘れてた。

昨日ブラックフライデーなのにモールに行っちゃったわ。

ブラックフライデーは安売り狙いでモールが混む日なので、例年避けてたんだけど、子供がモールで待ち合わせするからついでに行ってしまった。


いつもはガラガラのAnthropologie(服屋)激混み。試着室に入ったら、隣の個室から若い女の子たちのかしましい会話が聞こえてくる。


「きゃーこの服かわいい!」

「すっごくあなたに似合うわよ」

「良いわーこれ凄くキレイ。でもいらない」


ええ〜!!

と、吹き出すと同時に、「わかるわ」って隣の個室でひとり頷く私ですよ。私この店には、癒しと私のつまんないワードローブにひとつまみの砂糖を加えるつもりで行くのよ。でも最近ちょっとデザインがロマンチックに寄りすぎよね。


とにかく、さんざんキャッキャしてからの

”…but I don’t need it”

が面白すぎた。


そんなわけで試着室を出て白シャツ(ギリギリ着れる?)を持ってさまよっていてたら、長身の、ブロンドをお団子にした女の子に呼び止められた。


「あなた今同じシャツ持ってるけど、このシャツどう?いい?」


と聞かれたので、


「ええ、すごくゴージャスよ」


と答えておいた。ああ、こういう時ボキャブラリー貧困ですみませんって思う。ゴージャスの意味ニュアンスも日本語と英語じゃ微妙に違うのに。しかも私と彼女じゃ同じもの着ても別物ですが。(汗)


「そう。そうよね。しかもお値段もお手頃だしっ」


そう言ってレジの列に並ぶ彼女。携帯にビデオコール。


「今どこ?何食べるー?」

「もう(欲しい)もの一杯で大興奮」


うんうん。セールがよほど嬉しかったのね。

陽キャだなあ。コージーノベルの主人公の親友みたいなキャラだわ。

興奮気味に話す彼女。そこに


「ジュリアナ!(仮名)」


お友達登場。ブロンドガール二人とハグ。

うわあ。楽しそう。若いっていいなあ。遅れて現れたお友達、この寒いのに半ズボン…のアフリカンボーイ。やだ、面白すぎでしょこのグループ。ドラマみたい。


また列の前に並んでた40絡みの女性と話し込むジュリアナ(仮名)。相手も超早口弾丸トーク。ほんと物おじしないひとたちだなぁ。


隠キャ、ぼっち、年取ってるの3拍子揃っている私だけど、こんな時々陽キャとのインタラクトでほっこりさせてもらっています。


オマケ:

娘に話したら、

「なんでその人、ママみたいなアジア人の中年女に訊いたの?」

ですって。知らんがな。


















  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る