併合時代の日本人と朝鮮人の感覚のずれ(教育勅語)

 日本人の宗教感覚は、外国人から見たら、物凄くずれている。外人にとったら、宗教の神は、絶対に近い。日本人の場合は、「そういう人もいる」である。これを朝鮮人は、あの、短い併合時代だけでは理解できなかったのではないだろうか。台湾は、日本統治で、国が生まれたのだから真っ新だったので、ただ受け入れた。出発点が違うのだ。


 日本建国以前からある神社というのは、生前人だった多種多様の日本人を神として祭っている所だ。神は守であり、海外の宗教のような超越者的な偉人ではない。もう、亡くいなっているので、見守ってくれるという感覚だ。そして神社は、政府の機関であり政府が決めたまつりごとを周知させるところだった。これを知っている日本人は、宗教に対して自由だった。むかしは、神社で拝殿した後、寺で、坊さんのありがたい説法を聞いたものだ。


 ところが、明治時代になって、天皇を敬愛するのではなく、拝めと政府が言い出した。教育勅語は、天皇のお言葉を中国の皇帝に習って勅語にしたものだ。

 教育勅語を作るにあたって、起案者の中心となった井上毅は、フランスに留学した経験から、教育勅語が思想や宗教の自由を侵さないようにすることを重視したと伝えられている。逆に言うと、これが、思想や宗教に影響するものだったと言うことだ。日本人は神輿を担ぐ性質がある。天皇の側近は、天皇に褒めてもらいたくて、媚を売るものがいっぱいいたと言うことだろう。江戸時代までの主従関係。下克上的な歯止めが効かなくなっていたのではないだろうか。


 教育勅語は、1890年(明治23年)10月30日発布された。キリスト者の多くは、天皇の肖像を拝まなかった。これは宗教とは関係ないと納得できなかったからだ。教育勅語は、敗戦の3年後、1948年(昭和23年)6月19日廃止されている。日本人の場合は、今まで日本の平和の要だった人なので、「いいから拝め」と言われたら、そんなに抵抗はなかったようだ。内村鑑三(日本のキリスト者の当時の代表のような人。キリスト教と国推論を両立させるような本を書いていたような人)は、天皇の肖像を拝めと言われて最初茫然として拝まなかった。天皇の肖像を拝むというのは、元々、神社を拝殿している意味と同じなので、喧嘩してまで、または、命を張って迄拝まないというほどではなかった。しかし、併合国にとって神社は、少なからず、宗教のような強制力が働くことになった。北朝鮮が金家の肖像を教室に掲げて拝むのは、この時の日本のまね。この朝鮮人学校への今の日本人の感覚で分かる通り、当時の日本人には抵抗がなくても、外人はそうはいかない。


 日本でさえ、このような混乱があったのだ。こんな微妙な話、併合国の朝鮮人が理解していたとは、到底思えない。朝鮮人のキリスト者だと、キリストは拝んでも、神社は拝まないになる。そうなると日本の憲兵は、朝鮮人のキリスト者に対して、神社を拝まない非国民というレッテルを張ることになってしまう。この日本人との感覚のずれは、今の日韓関係のすれ違いの起点になっている。韓国人が、今でも天皇を冠した日帝との戦いをスローガンにする理由である。


 もう、こんな話、ずっと天皇を受け入れてきた当時の日本人には分からない話だし、教育勅語が廃止されてから生まれた人ばかりになっている今の日本人には、思いもつかないことだ。


 教育勅語発布の20年後に併合された韓国人からしたら、反日教育のせいもあるが、今でも、大日本帝国=昭和天皇なのだ。


 当時の日本人というのは、外人に対して、その人たちの風習を尊重するという考えがなかったように思う。天皇の話は、民族の根幹にかかわる問題。古い日本人というのは郷に入れば郷に従えという人達だ。併合国に対して、貴国は日本になったのだから、日本の風習に従えが大勢を占めた。これは、外人からしたら、理不尽な話。まして、宗教家からしたら、命を張ってでも抵抗する話だった。(台湾は、日本では無いで始まっているので、朝鮮ほど干渉されていない。むしろ突き放されている)


 日本人は、無宗教なので宗教に無頓着。それでは、相手を尊重できない。外人からしたら、自分のアイデンティティを踏みにじられた怒りは、日本人がそれを知らなかったという理由だけでは収まらない。謝罪しなかったら、そして、和解できなかったら、死ぬまで許さないだろう。


 戦後の日本人は、とにかく、何でも謝ってきた。それを許さない国が隣にある。当事者が死んでも、子孫が、日本をなじってくるなんて、普通じゃない。これは、最初のすれ違いとは異質だ。謝罪というのは、互いに謝れないと、相手を尊重し合うことはできない。この朝鮮人との感覚のずれは、理解しないでいいと思う。

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