GSOMIA破棄延期を承認 日本政府は、在韓米軍をどうしたいのか

 極東アジアの安全保障問題は、米国が朝鮮半島を分断した1945年に比べ、ずいぶん様変わりした。日本敗戦後の米ソ冷戦では、日本の安全保障にとって、在韓米軍は無くてはならないものだった。だから、33年前に、在韓米軍を撤退しようとしたカーター大統領に対して、日本が、極東の安全保障には、在韓米軍が必要だ。在韓米軍の撤退は、日本を含む東アジアの安全保障に深刻な影響を及ぼすとして、ロビー活動をしている。まさかその3年後に、ソ連が崩壊するとは、思っていなかったのだろう。


 ソ連崩壊、米ソ冷戦終結30年が経過した。現在極東アジアのパワーバランスは、日本が、在韓米軍を欲した33年前と大きく変化した。見た目は、ソ連の脅威に代わって、中国が大頭して来たので、将棋の駒を動かす必要は、ないのではないかと考えられる。しかし、日本政府は、そう思っていない。韓国がGSOMIA破棄宣言した時、日本政府は、どうぞご自由にと、全く相手にしなかった。これは、米ソ冷戦時代に、日本が、在韓米軍が必要と、韓国に代わって、米国でロビー活動していた時代と、あまりに対照的な態度。それぐらい日本は、今回、在韓米軍を重要視していないことが見て取れる。いったい当時と何が変わったのか。


1、ロケット戦争 中国の脅威は、数の暴力だったが、意味が薄くなっている。例えば、何かあったら習近平自体をロケットで殺せるので、鈍足な陸軍の脅威が少ない。彼がそれを怖がって隠れると、命令系統自体が崩壊、作戦棚上げ、戦線を維持できなくなる。これが、独裁政権の欠点。

2、統一朝鮮に向かう韓国を信用できない。33年前の韓国の朴正熙政権は、カーター政権と折り合いが悪くはあったが、北朝鮮になびいていたわけではない。

3、反日をしている韓国より、台湾と組んだ方が、より日本の為。日本の原油タンカーのルートは海。大陸ではない。シーレーン防衛の方が効率が良い。


 以上のことから、在韓米軍の現実味が、薄くなっているのだ。韓国が自立で、中国や北に対処するというのであれば、儲けもの。その目があるうちは、在韓米軍も悪くはないかもしれない。それぐらい、韓国にはうんざりしている。だから、33年前のカーターと同じようにトランプが、在韓米軍を引かせようとしていることに、今回は、反対していないし、ロビー活動もしていない。


 日本政府は、韓国という国に、「丁寧な無視」という政策を打ち出した。これには、助けないという意味も含まれている。今まで韓国は、日本にとって安全保障上のハブ地帯だった。だから、韓国を発展させ、いろいろと便宜を図って来た。現在それを「丁寧な無視」政策により停止している状態。韓国は自立して自分の国を守る時期に差し掛かっているのだ。33年前は、日本が在韓米軍を残そうと思った。現在の日本政府は、そこまで考えていない。

 日本政府は、在韓米軍をどうしたいのか。日本は、在韓米軍があるに越したことはないが、韓国の害悪が大きいのなら無くても仕方ないと考えている。つまり「丁寧な無視」政策で、偶々かもしれないが、韓国が自分から、在韓米軍の助けを得て自衛するように仕向けている。もっと言うと、韓国が望むなら、在韓米軍の機能を日本や台湾に移してもいいと考えているのである。

 日本は、韓国の素行と利用価値を天秤にかけて、今はぎりぎり釣り合っている、まだ、昔のように間接同盟国として、多少便宜を図っても良いと思っている。しかし、はっきりしていることもある。現在我が国は、韓国に対して、我が国に依存するなとメッセージを出している。その天秤が、利益より害悪の方がデカいと認識すると、カコンと、韓国不要に傾く。そうなれば、もっと冷淡なことになる。韓国は、日本に依存するなと言われていることを国民レベルで認識してほしい。

 在韓米軍が引いた後、日本の協力なくして、韓国の自衛は、成り立たない。現在、文政権は、日本に信用を取り付ける崖っぷちに立たされていると知れ。


 日本の「丁寧な無視」政策は、産業や経済にも及んでいる。今、韓国が、共産圏に行くと日本の協力を得られなくなり中国と対等に渡り合えない。統一しても今の栄華を共産圏に搾取されるだけである。韓国が今の栄華を維持しようと思ったら、日本の協力が必要だ。米国を仲介した間接三国同盟が切れたら、韓国は、一国として、日本の信用を取り付けなければいけない。現在そういう岐路に立たされつつあると言う事だ。

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