ケージではなく、ミトンでもなく

作者 紺藤 香純

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★★★ Excellent!!!

男性恐怖症な紗衣が転職先のクリニックで出会ったのは、甘いマスクの男性、涼太。
男性が苦手なのに、それでも涼太に心惹かれる紗衣と、紗衣にかまってくる涼太。
想いは双方向に見えたのだけれど、涼太には秘密があり……。

風景や心情を丁寧に書かれる作者様の恋愛物語です。
紗衣と涼太の二人だけではなく、二人を取り巻く登場人物達もみんな魅力的で、思わず応援したくなります。

そして、紗衣ちゃんが作るお料理や、出てくるお料理がいつもとってもおいしそう!
読んでいておなかがすいてしまうことも(笑)

繊細な味わいの恋物語。二人の行く末を、どうぞ見守ってあげてください。

★★★ Excellent!!!

それぞれが過去のトラウマから、男性恐怖症になった彼女、そしてペットしか愛せなくなった彼。偶然出会い、惹かれあい、飼う-飼われるという奇妙な関係が始まる……

設定が本当にお見事です。ツイートでこの紹介を見てそのまま遊びに来てしまいました。
本文も、風景や服装の細かい描写が巧みでスルスルと読みやすく、話数を感じさせないペースで読了できました。
(さらに一部耽美な描写があり、白眉なシーンだったと思います)

強烈に想いながらも自ら「彼女はペット」と線引きしてそれ以上を求めない彼と、同じように想いながらも「自分はペット」と言い聞かせる彼女。

どんな結末を迎えるのか、ぜひお楽しみください。

★★★ Excellent!!!

作者さまの作品を読むのは初めてです。コンテスト参加作品ということで、完結されるのを待って読みました。

こちらの作品には、二つの大きな特徴があります。一つは、一貫して不安定であること。もう一つは、周囲の環境が穏やかであることです。

男性恐怖症の女性と、女性をペットとしてしか愛せない男性が、職場で出会ったことで徐々に仲を深めるストーリーですが、このストーリーに先の二つが深く絡んできます。

周囲の暖かい環境のおかげで穏やかな気持ちで読み進められる反面、二人の抱える問題が厄介過ぎて、安定した安心感を得ることができません。その為、常に読んでいる間は不安定な感覚に包まれ、ハラハラした気持ちで二人の行く末を見守ることになります。

この不安定こそが、作者さまの恋愛に対する問いかけではないかと思いました。甘い場面もあるのに、一貫して不安定なままという状態こそが、作者さまの恋愛に対する一つの答えなのかなと思いました。

ただ、ラストは違います。それら不安定な設定は全て伏線であり、ラストに向けてこれまで積み上げたものが一気に爆発します。その過程は、見事の一言しかないと思いました。

最後は「よく頑張ったね」と言葉を送りたくなるこちらの作品。設定が誤解されやすい感がありますが、それもまた、作品のラストに繋がる一つの要素として受け入れてもらえたらと思います。

男性恐怖症の女の子が、一人の男性を「愛してしまった」がゆえの苦悩と葛藤。最後の答えがどうなるか、ぜひ皆さまも見届けてください!

★★★ Excellent!!!

ペットとしてしか異性を愛せないという彼。
セクハラの対象になりやすく、男性恐怖症の彼女。

そんな二人が惹かれ合うことて、固く囚われた心の枷を外していくピュアな恋愛物語です。

傍からは単なる思い込みに過ぎないように見えたり、素直に感情を出せないことをもどかしく感じたりするかもしれません。
けれども、心の深い場所に打ち込まれた楔はそう簡単に抜けるものではなく、当人たちにとってはその枷を外そうとすること自体が苦しいことなのでしょう。

それでも。

愛する気持ち。寄り添いたい気持ち。求める気持ちは抑えられない。

そんなひたむきな気持ちを応援したくなる、しっとりと温かな物語です。