憑依体質

月緒 桜樹

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無幻の回廊する虚夢

ナニカ降誕祭の前日譚

 ただの前書きである。詩を書こうとしたわけじゃあ、ないんだ。




 ――形式にも、様式にも、拘らないで綴ってみる。


 前から、最後には形式に縋っているのが判っていたから、そう決心した。もう、僕は遊んでなんかいなかった。大真面目に、こどもを卒業していく気がしたんだ。


 誰かの言葉が深く深く憑依した詩ができるだろう。本当は僕なんていなくて、僕の詩は誰かの書いたようなものばかり。それで誰かの感性を出血多量までに一刺しするのは、やっぱり模倣犯と呼ぶべきだって。


 意識しているわけでもない、推敲しているわけでもない。素直な言葉は、きっとからっぽを映し出す。

 尤も、推敲なんてやり方が判らないだけなのだから、僕は詩人にはなれなさそうだな。


 飾り立てない、きっと、飾り立ててない。


 セオリーに触れるのが怖くて、僕は詩人になれない。


 見える言葉を掴むだけ。ただ、掴むだけの備忘録なんだ、ここは……。

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