離婚のゆくえはレース次第

作者 みかんあき

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★★★ Excellent!!!

 あらすじの第一文目をご覧ください。
 な、なんという波乱の幕開けでしょう!?
 ヒロインが家を飛び出してしまうのも、当然だと思います。
 これは泥沼の修羅場……?

 いえいえ。
 ヒロインと旦那さん、それぞれが、出逢いから今までを振り返ります。
 そして、ふたりが、ふたりとも、自分の本当の気持ちに気づきます。

 だから、旦那さんからの二度目のプロポーズ!
 その方法は……。

 命を「懸けて」はいますが、自棄になって、「賭け」の勝負(レース)に出るわけではありません。

 フルスピードで読者にまで伝わってくる、最高の二度目のプロポーズ。
 そのゆくえを、是非、お楽しみください。

★★★ Excellent!!!

わたしは小さい頃からずっと武道をしているのですが、ほとんど会話したことのない相手でも、試合を通じて手に取るようにその人のことが「わかる」ことがあります。

言葉以外でのコミュニケーションというのが確かにあって、スポーツでも囲碁とかチェスとかのボードゲームでも、あるいは音楽などでもそれは同じだと思います。

物語の二人にとってそれは、「走る」ことで得られたものすごく濃密なお互いへの理解だったのかな、と感じました。

さらに言えば、本当は相手のことをどれほど好きだったのかという、自分自身の心と向き合うことにつながったのでしょう。

前を走る明彦さんの意図を、正確に把握するシーンがあります。
言葉を交わしているわけではないのに、走りを通じて語り尽くしているかのようなシーンがあります。

わたしは、ここが最大のラブシーンだと思いました。
なんという豊かな描写。

加速でぐーっ、と内臓が後ろへと置いてけぼりにされるような感覚。
マシンが跳んだその数瞬、おなかのなかが無重力になるかのような感覚。

迫真の筆に、わたしは読みながら強いGを体感しました。
なんでこんなに苦しいのかと思ったら、しばらく息をしてなかった。

「物語が終わってしまう」と、なかなか最終話を開けなかったというのは久しぶりです。

すごくよかった。
ありがとうございます。


追伸
彼女と同じ土俵で闘って、思いを伝えきった明彦さんはいい男です。


三條すずしろ 拝

★★★ Excellent!!!


 愛し合っているはずなのに、ほかに子供を作ってしまった彼。別れようと言われてしまう彼女。

 想い合う2人の気持ちはズレ、それでも強く惹かれ合い、とうとう彼はこんな提案をする。

「もしぼくが峠のレースで君に勝ったら、離婚はなしにしてくれ」

 とにかく、作中に仕込まれた対立が凄いです。思い合う2人、2人を引き裂こうとする悪意、運命に抗おうとする彼、諦めようとする彼女、でも想いを断ち切れない。
 そして、峠のレースで決着をつけようとする2人。2人のあいだに挟まれるかたちになる彼女の愛車GDB。

 このレース、どちらが勝つのか? 死んでもいいと峠を攻めていた彼女なのか? 命をかけてコーナーを攻める彼なのか?

 レースの行方は? そして2人の行く末は?


 まあ、ハッピーエンドなんですけどね。


 作者の趣味全開で書かれたという本作。やはり一番の突っ込みどころは、「みかんあきさん、あなた、峠の走り屋だったのかーーーい!」というところでしょうか。

 ええ、ここは、ノーブレーキ&オーバースピードで突っ込ませていただきます。

「走り屋だったのかーーーい!」