アルダン幻想万華鏡

作者 伊予夏樹

61

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★★★ Excellent!!!

架空の国を舞台にした、幾人もの登場人物達が恐怖を体験する作品です。どれも独創的なホラーの味わいがあり、現実世界に溶け込んだ魔法を骨子として成り立っています。情景描写が大変上手く、ありありと脳内で想像できる、いえ、してしまうので、暑い夏には特にオススメです。

★★★ Excellent!!!

もうひとつ異なる進化をした世界があり、それを観察、記録したものを文章化しているのではないかと疑う程世界観が緻密に描かれています。魔法と科学が融合し、進化をし続けているアルダン共和国の幻想と恐怖を短編集としてかかれていますが、どの話も同じような話はなく話数の数だけ違う恐怖が書かれています。
また年代によって文明がしっかりと決められているため舞台となる話それぞれの文明水準の違いも楽しめる一つかと思います
テーマの一つである魔法も攻撃魔法とか回復魔法とかではなく本当に人類が魔法という技術を手にいれたらどのように利用するのか一つの結果となるような様々な日常魔法が多数登場します。
ファンタジー好きもホラー好きも楽しめる作品です

★★★ Excellent!!!

アルダン共和国という架空の国が舞台のホラーです。魔法と科学の発達した世界で起こった怪異を集めた短編集です。
異世界ものとはいえ、この世界の日常風景が非常に精密にリアルに作りこまれているため、その怖さにはとても真実味があります。まるで、現実世界の都市伝説や、ネットで話題になっている怖い話を覗き見るときのような、ついつい好奇心をそそられる怖さ。自分の身にも起こりそうな気がする、リアルな怖さです。

はじめて読む方への個人的なおススメは、「猫」「絵の中の女」でしょうか。

「絵の中の女」を読んだとき、自分が子供の頃に怖かった絵画にまつわる光景を思い出しました。
家族の部屋にかけられていたモナリザの絵が、まるで感情を持って、いつもこちらを見ているかのように感じられていた記憶があるのです。
もし絵の中の人物が、心を持っていたら? ある日、自分に話しかけてきたら…… ?
そんなことはありえないと理屈では思いつつ、感情の奥底で、もしかしたら……という怖れをまったく消すこともできないでいるのかもしれません。

「猫」は、想像力の膨らむ怖さというか……ネタバレになってしまうので語れませんが、あらゆる想像をしてしまいました。ぞわぞわと怖ろしいながらも、猫たちの様子はどこかかわいい。かわいいから、より怖い。
この話を読んだ人は、猫たちに問いかけたくなる気持ちを抑えきれなくなるはず。

日常にふっと非日常がまぎれこむ……そんなリアリティのある怖い短編を求めている方に、強くおススメめします。

★★★ Excellent!!!

「魔法絵画師(タブタロス)」、「移動魔法(トロイティーア)」、「魔術電話(マジック・コール)」などの言葉が登場する、空想的な世界観が舞台となっています。

内容はホラーよりなので、怖い話が好きな人にもおすすめです。



以下、個人的に面白かった話の感想を書きます。

『絵の中の女』
文章を目で追いながら、頭の中で映像を思い浮かべる読み方がある。この話は映像化してはいけない。怖い。それ以外の感想がない。
最後の一文で突き落とされる。


『屋根裏部屋の人魚』
気味の悪い夢を見る男の話。
丁寧な描写のせいで不気味さが伝わってくる。夢を見た後に現実で恐ろしいことが…起きたりしない。起きてはいないけど、気になる終わり方をしている。
思い過ごしであってほしい。


『猫』
「ーわしが間違えた猫ー」って、どういうこと?このセリフだけでも意味がわからなくて怖い。
何を間違えたの?