第122話
「左様、ケイト様です」
「わかった、通してくれ」
なんか本当に領主みたいな感じになってきたなぁ。
秘書がウサ耳スキンヘッドのナイスガイだけどな。
「先生」
「どうしたケイト?」
「そろそろ苗木や種の買い出しに向かいたいのですが」
「調査に目処がついたのか」
そういや、ひたすら耕してるだけだったな。
ポヨスケ、ポヨミを筆頭にごりごり耕してたから、畑の土台だけは広々とあるんだよな。
「そうですね事前に調べられる部分はだいたい。これからは色々やりながらですね」
「わかった。場所は? と言ってもすぐ行けるのはガウンティかデルバレバくらいしかないが」
「ガウンティ王国でお願いします」
土地勘のあるデルバレバではなくガウンティ?
「どうかしましたか?」
「いや、なぜガウンティなのかと思ってな」
「簡単ですよ、同じ大陸の植物の方が馴染みやすいのかなと思っただけです」
言われてみればその通りか。
「早速出発するか?」
「他にも何人かに手伝っていただきたいのですが」
「わかった、必要な人手を集めたらここに戻ってきてくれ」
「わかりました」
しかし、ピョン次郎さんはそつがないよな。
ケイトのタイミングにあわせてさりげなくドア開けるし。
いるのにいないというか、でも必要な時に必要なことをしてくれるし、とにかく有能の一言につきるよなあ。
「どうかしましたか?」
「いや、なんでもない」
ただなあ。
燕尾服の執事に筋肉、スキンヘッドのナイスガイ。
ウサ耳尻尾付き。
誰得のギャップなんだろうなぁ。
「どうかしましたか?」
「いや、気にしないでくれ。ケイト達が来たら確認はいらないから直接通してやってくれ」
「わかりました」
「ケイト様達がいらっしゃいました」
「お待たせしました」
巴、パポールはわかるがジジもか?
「なんだよ兄貴」
「いや、気分を悪くすしたら申し訳ないんだが、ジジがいたことが意外でな」
「ジジちゃんはよく畑仕事を手伝ってくれるんだよ」
へー、意外だな。
というほど竜に知り合いがいるわけでもないが。
クリスはなにもしないからな……。
「
「オレにできるのって力仕事しかないからな」
偉いぞジジ。
なんせジジより力があっても、興味のあること意外全く動かないやつもいるからな。
「……」
しまった。
ジジの頭がちょうど良い高さにあったせいで。
「申し訳ない、子ども扱いしてるつもりはないんだ。気を悪くしたか?」
「いや、兄貴に頭撫でられるのは嫌じゃないぞ!」
そうか、そうか。
「左の字、ボクも〜」
「先生、私も」
おー、こいこい。
「オレも、もう一回オレも」
なかいいな、これ。
楽しくなってきた。
「パポールもおいでよ」
「
おー、こいこい。
「
あははははは。
なんだこれ、ヤバいな。
癖になりそうだ。
ふう、満喫した。
名残惜しいが、そろそろ行かないとな。
「みんな、そろそろ行こうか」
「左の字、ちょっとまって。こ、腰がぬけた」
「先生、申し訳ありません」
「兄貴ゴメン、オレもすぐには立てない」
「
うーん、何かをやり過ぎたな。
しょうがない、とりあえず
「ピョン次郎さん、お茶にしようか」
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