♥️第111話

 昼間のケイトの魔法は面白かったな。

 SF的にいえばナノマシーンによる情報収集か。

 処理はスキルといっていたが、ありゃかなり色々できそうな感じだな。


 展開した方式の感じだと……。

 水属性の部分は全て省いて、時空属性に書き換えてと。

 こうか?


 違うな。

 水属性の部分にも必要な式が含まれてるか。

 ならば一度全てを並べて。


 こことここか?

 かなり複雑に絡んでるな、こりゃ。

 別の式でまるごと置き換えてみるか。


 こっちはこれで行けそうだな。

 もうひとつの方はどうするか。

 置き換える式を増やしてみるか。


 こっちもなんとかなったか。

 置き換えに使う式が六種類も必要になるとは。

 よし、今度こそ行けるか?


 ぬお! デカ!

 機能は一応周囲の情報収集はできるみたいだが……。

 視覚情報はしっかりしてるんだが、他が全然だな。

 まあこれはこれで、防衛用の衛星みたいにすりゃいいか?


 さて、どこを修正すればいいかね。


 大きさは後回しだな。

 それよりも情報収集の種類だな。

 この部分とこの部分と、あとはここか?


 水属性と時空属性では対応する数字が異なるのか?

 一度全部減らしてみるか。

 おっとサイズが小さくなった。


 機能は?

 駄目だな、視覚情報もほとんど収集できなくなったな。


 ならば、次は全部数字を増やしてみるか。

 のわあ!?

 デカイ!


 能力はどうだ?

 ぐ。

 これは凄い情報量だな。

 だめだ、処理しきれない。


 ケイトはこれを処理してるのか。

 スキルがあるとはいえとんでもないな。


 さて、スキルのない俺はどうするかな。

 視覚だけなら特に問題なかった。

 なら情報の種類を絞るしかないか。

 とりあえずは視覚と聴覚と魔力でいいか?



 よし!

 とりあえず試作魔法の完成かな。

 ん? ノック?


「どうぞ」


「先生、夜分遅くに申し訳ありません」


「どうした? ケイト!?」


 なんというかヒラヒラで透け透けなんだが。


「その、あの、カシュタンテ様がこれを着ていけと」


 くっそ、カシュタンテえらい破壊力のあるものを用意したな。


「あの、その、変ですか? こういった格好は初めてなので」


 ここまで計算済みかよ。

 我妻達の差し金だろ!

 こんなもん落ちないわけないだろうが!


「先生?」


 ぬあああああああ。

 落ち着け、俺!

 ケイト自信は不安そうだろうが!


「いや、十分魅力的だよケイト」


「本当ですか?」


「もちろん」


 はあ、なんか妻達にはめられてる気はするが。

 ケイトがここまでしてくれてるんだ。

 俺のできる限りのことをするだけだな。


「ケイト、ちょっとごめんな」


 断りを入れてケイトを抱き上げる。

 一瞬驚いた目が直ぐに別の色を湛えた。

 ケイトを抱き抱えたまま寝室へと飛ぶ。


 抱き抱えたケイトの唇に軽く唇を触れさせる。

 そして今度はもう少し強く唇を押し当てる。

 ケイトの腕が首筋に絡み付き、ケイトから唇のお返しがくる。


 そのまま唇を割り軽く舌を絡ませると、呼応するようにぎこちなく舌を絡め返してくる。

 しばらく口づけをつづけ、唇を離すと小さく名残惜しそうな声がもれた。


 声が漏れたことを恥ずかしいと思ったのか、ケイトが視線を反らす。

 その瞬間に今度は強く唇を奪う。

 不意をつかれたケイトが一瞬体を固くさせるが、直ぐに強く唇を押し付け舌を絡み付かせてくる。


 口づけをしたままケイトをベッドに横たえる。

 ほぼ着ていないに近い衣装の上から、首、背中、臀部と軽く指を這わせる。

 その度にくすぐったいのか、ピクピクとケイトが反応する。


 唇をはなし、今度は耳、首筋に口づけをしながら、ケイトの衣装を脱がせていく。

 全てを露にしたケイトの全てにふれながら、体中に軽い口づけをしていく。

 触れる場所、口づけの場所によってケイトが大きく反応する。


「先生、お願い……します……」



 すやすやと腕枕で眠るケイトを見ながら、何とはなしに先ほど作った試作品の魔法を使う。

 部屋の至るところに妻達が隠れていた……。

 うちの妻達は変態の集まりか!?


 は!?

 しかもなんか全体的に近づいてきてる。

 く、ケイトが気持ち良さそうだし、動けん!


「旦那さま、大丈夫です。後は私たちが動きますので」


「ケイト、よくやりました。初めてなので今日はこれ以上は無理でしょうから、そこでヒダリ様をしっかり堪能なさい」


「わかりましたレイラ様」


 な!

 ケイト寝てないのかよ!

 くそ、まさかここまでが作戦なのか?


「たまにはされる一方というのも楽しいかもですよ、佐七さん」

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