第75話
「お、大将。毎日お楽しみじゃな!」
うるせーよ、レーブ。
お前ら常にそれ言わないとダメなのかよ。
あと無駄に声がでけえよ。
「そろそろ移動の準備を始めてくれ」
「わかった天幕以外は片付けておこう、なんせ朝からのときもあるからの」
マジでうるさいよ。
しょうがないだろが。
「そこでじゃ、こんなものを作ってみた」
「なんだよこれ」
「魔動機兵の動力炉を参考に、ルルの嬢ちゃんの協力で作った自走式天幕じゃ」
キャンピングカーみたいなもんか?
「これでいつでもどこでも大丈夫じゃ!」
大丈夫じゃ、じゃねーよ。
それにしてもこいつは結構使えそうだな。
「なあ、レーブ。これ車体をもう少し小さくできないか?」
「それだと居住空間がかなりせまくなるのう。大将の嫁さん全員が中に入りきらんぞ」
うるさいよ。
俺のことはいいんだよ。
「妻達のことはいいとして、中に俺の時空魔法を仕込むんだよ」
「確かに車体の内部に大将の力で空間を作れば、車内は見た目よりかなり広い空間になるのう」
「側がある分広さは制限されるが、作成に使う魔力も少なくてすむし。空間の大きさをきちんと調整すれば、維持する魔力も外部からの供給だけで余裕だろ」
「なるほど、それは面白そうじゃの」
「とりあえず、今あるこいつでやってみるか」
んーと、大気中からの魔力補填で維持できる大きさはと。
時間の流れを調整する必要がないから、結構なサイズがいけるな。
とりあえず200坪(約660平米)くらいで、高さも10メートルくらいか。
おっしできた。
「相変わらず見事なもんじゃな」
そうか?
爺さんに比べたら、大したことないだろ。
「爺さんには全く及ばないがな」
「比べる基準がおかしいじゃろが」
そんなことないだろ。
しかしあれだな、お前らに物事の基準について突っ込まれるとか、なんかへこむわ。
「凄いですね、これが佐七さんの魔法なんですね」
「飛び回ることもできるぞ。サシチ様の魔法は素晴らしいな」
『あんたホントにとんでもないわね』
「これならちょっとした屋敷が建てられそうだな。いけるか凶壁」
「そうね、元になる鉱石や土をある程度入れてくれれば、なんとかできそうよ」
「ココなら魔動機兵のカスタマイズもできそうデスネ」
「もう少し天井が高くなりませんか旦那様」
「これ凄いね、佐の字。パポール達にもおんなじの作ってあげられないけな」
みんなお目覚めみたいだね。
「2ラル」
6分か、カシュタンテ。
今日は朝から長めだな。
「よし、それでは直ぐに作業にはいろう。凶壁どのくらいかかる」
「私のイメージでいいなら、材料さえあればすぐいけそうよ。すぐに簡単なイメージ図を作るから、それを見てなにか要望がある人は私に教えて」
トントン拍子で話しが進んでいくなぁ。
「旦那さま、もう少し天井を高くしてもらえませんか?」
「クリスの竜姿のサイズにあわせればいいのか?」
「そうですね、万が一もありますので」
んーと、こんなもんかね。
「クリスどうだ?」
「ありがとうございます、旦那さま」
『なんかホントにとんでもないわね』
「そうか?」
『そうよ。ホントに自覚ないのね、あんた』
自覚ねぇ?
「みんなもすぐに慣れたし、ポピーもそのうちなれるわよ」
『これにすぐになれるって、杏華それってどうなのよ』
「だって佐七さんだし」
『はあ、もういいわ。深く考えてもしょうがなさそうだもの』
「それよりも、私たちもお屋敷作りに参加しましょう」
『はいはい』
何だかんだでポピーもすぐに馴染みそうだな。
「カシュタンテ、行かなくていいのか?」
「大丈夫。それよりも、はい、1ラル」
3分追加かぁ。
今日もいつもの平和?な1日になりそうだねぇ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます