第42話 触れてはいけない闇
「なあ、ルル。なんで魔動機兵?」
「セブンはあの機体をミテ、何も感じないのデスカ!」
なんか怒られたぞ。
ん、巴達が微妙な顔に。
「佐の字、触れてはいけない闇に」
なに?
「イイですか!セブン」
「はい?」
「はい?デハありまセン。巨大ロボですヨ」
「ああ」
「モビル◯ーツですヨ、スーパーロボットですヨ。ここでテンションが上がらなくてどーするンデス」
ルルが壊れた……
「ナンですカ?」
たぶん、今逆らうのは愚策。
「はあ、マサカ異世界にきて巨大ロボをこの手にできるとは」
もらったのは俺だけどな。
「しかも5種類モ」
新型の試作機までぶんどったから、担当のおねーさんが涙目だったけどな。
「仕様書と設計図モ」
機密品だから許可とるために、ナルディスナ女王までかり出されてたけどな。
「装備類もタクサンいただけマシタ」
洗いざらい持っていこうとするから、女王も格納庫にいた連中もドン引きしてたけどな。
「予備パーツも沢山いただけマシタ」
組み立てたらもう10機、機体がふえるけどな。
「はやくあの機体達をさわりたいデスネ」
人目の多いところで広げないでくださいって、泣いて頼まれてるけどな。
「セブンわかりますカ」
わかんねーよ。
せめて主語をくれよ。
「わかっていませんネ」
だからわかんねーよ。
お願いだから主語をください。
「いいですカ」
良くないです。
もう勘弁してください。
あなたは酔っ払ったおっさんですか?
誰か助けてください。
「佐七さん、村長さんなんですか?」
よし、いい割り込みだキョウ。
むちゃくちゃ強引だけど。
千載一遇のチャンス。
「その話な、戦争だなんだと啖呵を切ったからな。その流れと言うか勢いで言った」
「我が主、村長というか領地を持つのは良い案だと思いますよ?」
よし、珍しくいい仕事だルド。
「ん?」
「奥方さまを持つのですから、いつかはご子息も産まれますし。将来のことを考えても拠点となる場所があった方が良いかと」
お、ルルも食い付いて聞いてる。
ルド助かった、ありがとう。
「ならその辺の家を買ってもいいだろう。まとまった金も手にはいったし」
「ですが普通の家でレーブの鍛治ができますか?私の魔法の実験に普通の町が耐えられますか?ランガーやリシャルの稽古という名の破壊活動に普通の国が耐えられますか?」
無理だな、無理無理。
こいつらに自重しろっていても、絶対に無理だ。
「ソレニ魔動機兵の倉庫も必要ですネ」
「たしかに。しかし領地といってもな」
「どこかの国に戦争を仕掛けて奪い取るのが早いかと」
「イイですネ、魔動機兵の実験ニモなりまス」
「それなー、でもどっかの領地だと領民がいたりで面倒だろ」
「旦那さま、それであれば私にあてがあります。領民もおらず、どこの国のものでもなく、ある程度の広さもあります」
「それはイイですネ、じっくりと実験ができそうデス」
「ならクリスのあてってのに期待させてもらうか」
「わかりました。すぐに確認しますか?」
「急がなきゃ不味いか?」
「いえ、いつでも旦那さまの都合の良いときで大丈夫です」
「なら、領地の話は一旦やめだ。予定通り学園とか言うところに行ってみようか」
「デハ一時お預けデスカ。しょうがないですネ」
ルル、ロボ関係の話だとなかなかやべぇな。
なんで会話にちょいちょい自分の欲望交ぜてくるんだよ。
知らないうちに、訳のわからん約束させられそうでこええよ。
「あ、デモその学園都市にもまた別の機体がアルかもしれませン。セブン楽しみですネ」
「ああ」
「ああ。ではアリマセン! セブン、いいですかロボですヨ。モビ◯スーツですよ!スーパーロボットですヨ」
え、またそこもどるの?
あ、キョウ達も匙なげた。
は?
俺しばらくこのままですか。
勘弁してください。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます