第28話 ルルの想い、杏華の想い

 

「悪いな遅くなった、あとは任せろ」


 ああ、まるで物語のようです。

 ヒロインのピンチに駆けつけるヒーロー。

 待って、待っていました。


 逢いたくて、逢いたくて。

 待ち焦がれたヒーロー!


「ランガー、リシャル、ルド、レーブ、クリス。三人と捕まえられてる人達を頼む」


 セブンが叫ぶ。


「セフィ、全て潰す。容赦はしない。お前が止めるというなら申し訳ないがお前ごと潰す」


「気を使わせて申し訳ないサシチ様。ですが私はあなたの妻、あなたについて行きます。それにこれは王国軍の暴挙と言っていい。やってください」


 ん?

 いまこのセフィという女性、とても気になることを言ったような?


「巴、ルル、キョウちょっとだけ待っててくれ」


 ああ、その笑顔。

 逢いたかった、逢いたかった。

 淡い恋だと思っていました。

 

 でもあれから10年以上もたったけど。

 この思いは大きくなるだけでした。

 ああ、セブン、セブン!


「すぐ戻るよ」


 セブンが私達の頭をポンポンと軽く撫でていきます。

 巴も杏華も顔を赤らめ呆けた顔をしています。

 きっと私もそうなのでしょう。


 あの人達には触れられるだけで悪寒が走りました。

 でもセブンが相手ならこんなにも満たされるんですね。

 そんな満たされた気分で見送った背中は、その後信じられない光景を見せてくれました。




「すぐ戻るよ」


 頭をポンポンと軽く撫でられました。

 なんという幸福感!

 本やドラマ等でヒロインが嬉しそうにしているのが分かる気がします。


 これはまずいです。

 もう、この思いを止められなくなりそうです。

 巴もルルも何とも言えない幸せそうな顔をしています。

 きっと私もそんな顔をしていると思います。


 目の前の光景が信じられません。

 佐七さんが動いたと思ったら、あのロボットの胸部に大きな穴があいています。

 と思ったらその横にいたロボットがぺしゃんこに。


 異変に気がついた他のロボット達が慌てて動き出します。

 ですが遅いようです。

 今度は頭を掴まれた二機のロボットが掴まれたまま圧縮されて、ただの金属の塊になりました。

 その塊を他のロボットに投げつけました。

 あたったロボットは上半身全てがえぐりとられています。


 佐七さんの拳が一閃すると、そばにいたロボットの上半身が全て無くなりました。

 ロボット達は完全にパニックに陥ったようです。

 佐七さんは容赦するつもりはないようです。

 残っているロボット達が一機また一機と落とされていきます。


 もう、最後の一機となってしまいました。

 最後の一機は先程話をしていた人でしょうか?

 佐七さんに向かって何か話しています。


「きさま王国を敵にまわすつもりか?これがどういうことか分かっているのか?」


「それは宣戦布告か? なら受けてやる」


「きさま一人で何ができる?」


「ご託はいい。それは宣戦布告かと聞いている」


「ははははは、やれるものならやってみるがいい」


「よしわかった、言質はもらった」


「は?」


「お前の今の言葉、宣戦布告と受け取った」


「は?」


「お前が責任とれよ」


 佐七さんはそういうと最後の一機をとらえて。

 ???

 空間に穴が開きました。

 その穴に先程の一機をほうりこんでしまいました。


 はっきり言ってあり得ない強さです。

 最初にいた三人はどうなったかって?

 たぶん佐七さんが来たときの一撃で、この世界から消えてしまったのでしょう。


「久しぶりだな、巴、ルル、キョウ」


 もう歯止めなんか効きません、

 逢いたかった、逢いたかったです。

 気がついたら佐七さんに抱きついていました。

 巴もルルも一緒です。


 殺気!?


「旦那さま、そちらのお嬢さん達をご紹介いただけませんか?」


「サシチ様、私にもご紹介いただけませんか?」


 女の勘が囁きます!

 闘いだと!

 この想いは邪魔させない。

 

 さあ殺りましょう、ここからが本当の闘いです!

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