第27話
同時刻。一雫とデューの結界内にて
「ふう…疲れましたがこれで音が漏れることはございません、単刀直入に聞きましょう、貴方はマスターたちに何を隠していらっしゃるので?」
「何かと思えば、そんなことですか?証拠は?」
「まず一つ、と言ってもこれくらいしか確定的な証拠はございませんが、あのマスターが作ったと思われるあの神の如き薬をなぜ私に効かないとなぜ言い切れましたか?あれは私にも効いたはずだったのにどうして言い切ったのです。貴方にも分かっていたんでしょう、それなのに 何故?」
「…よく見ていますね、貴方は」
「はい。これでもマスターの従者ですから、これぐらいはできないと話にもならないと思っていますよ」
「そろそろ私も隠し通すのに限界を感じています、これからもっと過激な行動もとる必要もあります、ですのであなたには話しましょう。ここで約束してほしいのはただ1つ、このことを絶対に言わないことです、特にマスターには」
「――――――はい。約束いたしましょう」
「まずおかしくありませんか?あのスキル・ステータス、全てが化け物です、これをあの肉体だけで保持できるとお思いで?」
「おかしいとは思っていましたが…」
「そう!そうなんですよ!だからマスターは面白いッ!貴方に問いますっ!スキル・ステータスを保持するために必要なものは?」
「自分の肉体、それと魂を司る器が必要ですね」
「今回は創太の肉体は一般通りです、間違いありません」
「ということは……」
「魂の器…ということになりますね、そして私はこれを魂杯こんはいと呼ぶことにしました。貴方もそう呼んでください」
そして一雫は創太の秘密を語り始めた。今後の創太をは左右させる重大な出来事が―――――。
そして一応ザックリと魂杯とは何?という疑問を解決しておこう。魂杯とは、いわばステータス スキルをどれだけ宿せ、生きている間に得ることが出来るかを現したものである。スキル・ステータスはこの魂杯に記録される。だからこそ魂杯が少ない人はスキル・ステータスが弱く、逆に強い人はこの魂杯が大きいということだ。これをたどると勇者がなぜ強いスキルを持てるかの察しがついたと思う。
「マスターの魂杯は常に進化しています。それを数値化した所常人には魂の器は10前後、あなたたちでも10万あるかないかですが、これもマスターと関わったからです。そしてマスターと関わる前は精々1万というところでしょうか、まあこれでも十分高いですがマスターはすでに規格外。そして今私たちが話している間も進化、いや神化しています。そのマスターの器を数値化すると――――。
100000000000000000000*
100000000000000000000000*1000000000000000000000000000などというおかしい数値が出た……出てきてしまった、これはこの世界にいる全ての者の魂の器をかき集めて何京倍にしても足りません。
そしてこの時間 0、1秒とっても進化する確率が12、437%存在します、進化と言っても区切られた項目にゼロが付くというとんでもない進化です。そしてこの我々が知覚できるこの一秒の間に確定で進化します、これによりマスターはあれだけの価値あるスキル・ステータス。そして他人にステータス・スキルを譲渡するという規格外という言葉では言い表せない効果まで自分の身一つで体現できてしまうというこの世界の法則 概念のどれにも当てはまらない力が今のマスターにはあります。そしてその力の源が過去の中宮の血筋に関係しています。そしてこれは2つ目 中宮創太本人しか持っていないものです」
「その血筋とは…」
「…中宮創太の全てを超越した力は異世界に来たからではなく、もともと生まれた時からあったのですよ そしてもう一つ、これは中宮創太だけがもちうるものです」
「マスター中宮創太の魂の器には、言葉では言い表せない「何か」がいます」
「その何かとは…」
「私にも…分からないのです、どれだけ計算してまとめようとしても分からないのです、もうあれは概念などという物ではなく、それを言い表すには言葉という弱いものではできません」
「そうですか…」
「ですがしかし血筋の方は話しておきましょう、中宮創太の過去に遡って早何年―――――」
そして一雫とデューの会話が終わった、この話を封じるため、数字にして第13億4300万9000階梯の封印魔術をデューにかけた。ここまで約13分 その中宮創太がもつの全ての事をデューに語り、一雫はまた敬愛するマスターの元へと戻る。まるで何もなかったように…。
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