8-2.ゴブリンの巣穴にて

すごい!ショットガンの散弾が曲がって全弾ゴブリンに命中したよ!

花火のような臭いがするね・・・これが硝煙の臭いってやつ?



「久しぶりだね・・・って言うか冒険者になったの?」

「ああ!嬢ちゃんと別れてから割とすぐにな。」


テンガロンハットを被った古臭い感じのイケメン、ディグホースと9年振りの再会だ。

似合っていたのに乗合馬車の御者は辞めちゃったんだね。


「ディグっち全然変わってないね。後ろの人は彼女さん?」


ディグホースの背後にいるダークエルフの色っぽい美人さん・・・推定Dカップ!

中々の物をお持ちですね!


「ん?ああ俺の嫁だぜ」


ヨメ?・・・嫁!?


「ディグっち・・・老けてないってことは、ハイヒューマンになったの!?」

「ああ、9年前にな!何かあの時は、つきにつきまくって良い事がありまくってな」


あ!〈祝福の接吻〉の効果!?


これ見よがしに絡んでちゅっちゅしてるし!9年経っても新婚さんか!?

うらやまけしからん!

あのスキル自分には使えないし再使用するのに2年かかるんだよ!?

激レアだよ!



あ!ジョージは・・・どうでもいいけど、アナとデミのこと忘れてた!


駆け寄って状態を確認したら酷い事になっていた。

ゴブリンの小型アームストロング砲が先っぽだけ刺さっているけど・・・ギリギリセーフかな?


それは良かったんだけど、二人共・・・何で穴あきパンツなのよ!?


破かれたんじゃなくて、最初から穴が開いているタイプだし・・・

ゴブリン退治なんだから貞操帯を付けろとまでは言わないけど、せめて丈夫なパンツを装備してよね!


ゴブリンの精液は恐いから万が一があってはいけないので念のため二人の中に指を突っ込んで浄化しておいた。


「あぁッ♡」「んんッ♡」

イラッ(怒)


以前、人族同士の交配では寿命が長い方の種族が生まれるって話があったと思うけど魔物との場合は、話が違ってくる。

どんな組み合わせをしても基本的に魔物側の子供が生まれてくるの。

考えただけでも恐ろしい。


何にせよ怪我がなくてよかった。


「うぐぅ・・・」

あー、ジョージは結構な怪我をしてたね・・・


傷口を洗浄してからポーションをぶっかける。余った分は飲んでもらう。


「嬢ちゃん、魔法で治してやらないのか?」

「うん、命に別状がないなら基本通りやるつもり。教育も兼ねてね。」


ジョージ達の準備の足りなさや心構えの甘さをブチブチとディグホースに聞かせていたら


「小さいのに偉いのね」

ダークエルフのお姉さんに頭をなでなでされた。

ムッときて頬がぷくーっと膨らんだと同時に自分の反応がちょっとキモくてげんなりした。


「あっ、いきなり撫でちゃってごめんね。私は、キーラよ宜しくね。」

「・・・スティファニーです。ヨロシク。」


ちょっと挨拶が無愛想な感じになっちゃった。


「か、かわいいー!!!」

「みぎゃーーー!!!」


いきなり抱き着かれて揉みくちゃにされた・・・文字通りなでなでもみもみと

何なのこの人!?ちょっと苦手かも

何とか腕の中から逃れて再び抱き着かれないように牽制する。


「って言うかディグっち奥さんが居るのに報酬はキスでいいの?」

「ああ、大丈夫だ。頬へのキスは、ちょっとスパイスの効いた挨拶ってだけだぜ」


「そうよ、気にしなくていいのよ。何だったらスティファニーちゃんも大人になったらディグのお嫁さんにならない?」

「いえ、それは結構です。」

「あら、残念ね」


本気で残念そうな顔してるし!私の何が気に入ったっていうのよ?

自分でいうのもなんだけど私ってばさ、見た目は超絶美少女だけど・・・可愛げがないし致命的に色気がないんだよね。

まだお子様だから仕方ないんだけど・・・自虐で精神ダメージがきた!クリティカルヒットだよ!


ディグホースも私の淡白な返事のせいでダメージをうけてるし!?



それは置いといて巣の奥からゴブリンの第二陣がこちらに向かってくる。

思っていた以上に巣穴が広いみたいだね。


今度は、41匹で上位種の姿は確認できない。

先手必勝とばかりにディグホースのショットガンで25匹倒し、私の弓で6匹仕留め、キーラが両手に持ったククリのようなナイフで10匹斬り裂いた。

ジョージ達は、ダメージが抜けきっていないので動けない。元々頭数に入れてないけどね。


第一陣と合計すると62匹か~これは、100匹を余裕で超えるかもね。


「拙いな・・・。」

「ディグっちどした?」


「俺は、後2発しか撃てない。それに接近戦闘の方は、からっきしなんだ。」

「ああ~ディグっちは魔力少ないもんね。」


考えていた以上に巣が大きすぎる。ギルドも想定できなかったのは仕方ない。

進むにしても引くにしても、とりあえずゴブリンの討伐部位の耳を切り取ろうか。


皆で剥ぎ取りタイムとなったのだけれどアナとデミが解体ナイフを持ってない!

仕方ないからナイフをあげたけれど臭いとかキモいとかブーブー言ってちっとも進まない。

彼女たちが2匹ずつ解体する頃には全てのゴブリンの処理は終わっていた。



さて、戦力の確認をしよう。


キーラがBランクで接近戦が得意で魔法は不得手。

ディグっちはDランク、ショットガンは便利だけど弾切れになったら役立たず。

ジョージ達Fランクは、一人一匹なら対処可能だけど・・・まあ、戦力外だね。


ゴブリンキング(Aランク)が居たら一発アウトってところだけど、その時は私が本気を出すしかないね。



相談の結果、突いてしまった巣穴を放置するのは危険だと言う事で奥に進むことにした。


キーラを斥候に据えて私が遠距離攻撃で前後をカバー

ディグホースのショットガンは、上位種を確認できるまで温存してジョージ達は後ろからついてきてもらう。

横穴などは無いからバックアタックの心配は然程ない。


散発的に襲ってくるゴブリンを倒しつつ巣穴の奥へ奥へと進んでいく。


15分ほどしたら最奥に到達した。

たかが15分って思うだろうけどゴブリンの巣穴でこれだけ距離があるって相当なものだよ。



そこに居たのは、身長3m程のガチムチゴブリン一体と普通ゴブリンが数十匹だ。


鑑定の結果、ガチムチのゴブリンは【マイティゴブリン】・・・脅威度S!

ゴブリンキングよりつよーい!


「じょ、嬢ちゃんアレってヤバくないか?」

「ディグっち、ショットガン連射してみて」


「あいよ!」


ダン!ダン!


発射された散弾に対してマイティゴブリンが距離を詰め逞しい体で受けきった。


「ああ~やっぱダメだね。」

「・・・だよな。」

「あれは、Bランクの私でも無理よ!どうするの!?」


ランクだけ見ればキーラさんが一番高いからね焦る気持ちもわかる。


「こうします。」


アイテムボックスからミドルソードを2本取り出した私は、〈縮地〉を使って一瞬で間合いを詰めて4匹の首を刈り取った。

ゴブリン達は、あまりのスピードに移動した私を捉えることができていない。


足で地面をタップして再度〈縮地〉を発動し更に4匹の首を刈り取る。

スキルシステムを利用した裏技・・・タップ縮地は、足裏に何かしらを接触させれば一定距離を移動できるテクニックバグ技だよ。何と空中でも使用可!


卑怯?ズルチート?・・・テクニックですからぁ!(ドヤ顔)


これを10回繰り返したら雑魚は全滅してマイティゴブリンだけが残った。


「グルァアアアアアアアアア!!!!!」


マイティゴブリンが怒りの咆哮を上げる。


「うるさいな~」


止めを刺すべく〈縮地〉で加速しマイティゴブリンの首に斬撃を放った。


ギャリィイイイーーン!!!


接触した瞬間、激しい金属音と共にミドルソードが2本とも粉々になる。


「うぇ!?」


お気に入りの剣が砕けてしまったのでショックで硬直してしまった。


ブゥウオオオオオオンンッ!!!


そこにマイティゴブリンの強烈なパンチが飛んできた!

際どいタイミングだったけれどバックステップからのバク宙で回避した・・・直撃しても痛くないけど臭い手で触られるのは絶対嫌だ!


「・・・っしろだッ!」

突然ジョージの叫び声が木霊する。


(ビクッ)!?・・・何!後ろですって!?

慌てて後ろを向いてキョロキョロする・・・何もないけど?


横目にジョージの顔を確認すると真剣そのもので目力が凄い。冗談を言ったようには見えないんだけど?


「嬢ちゃん、気にするな。このバカはパンツが【白】だって言っただけだ!」

「ジョージ・・・ディグっちも後で殴るから!そこで正座して待ってなさい!」


戦闘中にどこを見てるんだよ!


「嬢ちゃんよそ見するな!避けろッ!」

「ん?・・・へぶっ!!!」


マイティゴブリンのことすっかり忘れてた!

思いっきり背中を殴られてふっ飛ばされ岩壁にぶつかり・・・ぼよん。


巨乳エアバッグのおかげで助かったー!

野菜の星の王子様みたいになっちゃうところだったよ。

まあ、真面まともにぶつかったところでノーダメージだろうけど崩れた石とかで埃っぽくなるのは嫌だからね。


真面目に戦闘をしようと思ったのは間違いだった。

倒すだけなら窒息でもさせて身も蓋もなく殺っちゃえば良かったんだよね。


でも、ちょっとカッコつけたいじゃない?

短弓を取り出してマイティゴブリンに照準を合わせる。


魔技マジックアーツ〈サンダーシュート〉!」


バチィィィイイイ!!!


狙い通りに雷の矢がマイティゴブリンの心臓を貫いて息の根を止めた・・・まあ、こんなもんでしょ?


ジョージ達から尊敬の眼差しで見られたけど、君達はそれ以前の問題だからね!

フォーレには初心者講習とかないのかな?


あ、忘れずにジョージとディグホースをビンタしておこうっと。

乙女のパンツを覗くなんて言語道断だよ!




◆◇◆◇




村に戻ったら休憩しながら夜明けを待って討伐完了の報告をした。


朝食を頂いた後に口を開けば嫁嫁とうるさい村長を殴り倒し、フォーレの街へ帰ることなった。


道中ジョージ達は静かだった。


「反省してくれたんだね・・・良かったよ!」

「いえ、単に頬が痛いから大人しいのでは?」


キーラさんから的確なツッコミが入った。



お昼前に私達は、無事フォーレの街に到着することができた。

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