7.困った時の相談相手②

悩みながらフラフラと歩いていたらこじんまりとした教会が見えた。


教会かー


正直、私は神なんて全く信じていない。

元日本人だし、無宗教だし、科学で説明できないものは大概ウソだと思っている。


とは言え此処はファンタジーの世界だし、本当に神が居る可能性があるかも?

居なくても懺悔室的なものがあれば相談に乗って欲しい。


入口の扉を開けたらギィィイイイと結構な音がした。建付けが悪いのかな?


中に居た神父さんやシスターさん達が私の顔を見てすごくビックリしているんだけど・・・はて?

もしかして・・・美少女オーラが漏れ出ちゃってる感じ?


私ってば聖母とか女神的な美しさがあるのかな♪


ドヤリ顔で近づいたら神父さんは顔面蒼白、シスターさん達はブルブル震えて涙を流し始めた。

おやおやー?神々しすぎて刺激が強すぎたかな?



「すみません、懺悔・・・と言うか相談したいことがあるんですが聞いて頂けますか?」


何故か皆さんポカーンって顔をしているんだけど?

1分ほど硬直していたけどオバさんシスターが懺悔室?に案内してくれた。


なんだか普通の応接室っぽいけど・・・まあいいか


お水を出してくれた。

丁度のどが渇いていたのでグイッと飲み干す。

体の中からカァァアアッとくる感じが・・・


「さすが教会ですね。お水を飲んだだけなのに力が湧いてきます!」

「そ、そうですか・・・おかわりは要りますか?」


神父さんが引きつったような微妙な表情でおかわりをすすめてくる。

水ぐらいでちょっと喜び過ぎたかな?でも美味しいんだから仕方ないね♪


「では、おかわりをお願いします。」


神父さんは、なみなみとグラスに水を注いでくれた。


ごくごく・・・うん、やっぱり美味しいねこの水!


「あ、相談の内容なんですけど私の知り合いのSさんの義理の弟のA君がSさんのパンツで・・・」




◆◇◆◇




Side:司祭(神父)


抹殺対象が我々の拠点に現れたのはビックリしたが幸いなことに全く気づいて無いようだ。



しかし、どうなっている?

即効性の毒薬をガブガブ飲んでいるのに全く効く様子がない。



「・・・と言うわけなんですよ。私はどうしたらいいと思いますか?」


知り合いとか濁してるつもりだろうが、お前の弟の話だよな?

下らん話を聞かせやがって・・・毒はまだ効かんのか?


「義理とは言え弟が私のパンツでゴシゴシするなんてショックで・・・」


『私の』って言ってるし頭悪いなコイツ。

こんな奴にシャドウ占い師ホロスコープはやられたというのか?




◆◇◆◇




神父さんが眉間にしわを寄せて考えている。

さすがに専門外の内容だったかな?


ごくごく・・・ぷはぁー。水美味しいー


「・・・私には答えを出せません。神にきくべきですね。礼拝堂へ参りましょう。」


神ぃ?


チッ仕方ない。一応聞いてみようか。

礼拝堂に移動したらシスターさん達がずらりと並んでいる。

真ん中にある魔法陣にひざまずくように言われたので仕方なく言われた通りにした。


「目を閉じて神に問いかけて下さい。」


あー、はいはい。神さま~私の悩みを解決して~


シスターさん達の讃美歌っぽいのが聞こえてくる。

おっ?何だか体がじんわりと暖かくなってきた。


全身をマッサージされているみたいですごく気持ちいい。




◆◇◆◇




Side:司祭(神父)


どうなっているんだ!?


全員で呪歌を歌って呪い殺そうとしているのに死ぬどころか気持ちよさそうな顔をしているじゃないか!?

くそっ!なんて幸せそうな顔をしてやがる!


ゼスチャーでシスター達にもっと出力を上げるように指示をしたが効果はみられない。


こうなったら奥の手だ…瘴気石を使ってやる!

生きたまま腐れ落ちるがいい!!!


杖の先端に付いている瘴気石を抹殺対象に押し当てる。


「はぐぅう!」


悲鳴を上げて倒れ込みビクンビクンと痙攣けいれんをしている。


やったか?




◆◇◆◇




背中にカタイ物を押し当てられたと思ったら突然強い刺激がきたので倒れ込んでしまった。

お祈り?ってこんなに気持ち良いものだとは知らなかったよ。


・・・ふぅ。



私は、今まで一体何を悩んでいたのだろう?

誰のパンツが使われたって良いじゃない。

男の子がエッチなのは普通なんだから何の心配もないんだ。


「神父さん、ありがとうございます。答えを得ました。」

「あ、ああ・・・それは良かったですね。」


こうしては居られないアル君の所へ行こう。


あ、その前に下着が濡れちゃったから宿に寄って替えなきゃ・・・

体がポカポカしたせいで汗をかいからね。すごい汗だから仕方がない。




◆◇◆◇




Side:司祭(神父)


抹殺対象は、妙にツヤツヤとスッキリした顔で帰って行った。

何ということだ・・・毒殺も呪殺もできなかった。


ダメージすら与えられないどころか逆に元気になって帰っていったぞ・・・


「司祭様、杖が光ってますけど?」

「何っ?」


漆黒の瘴気石が鮮やかな赤色になり神々しく光っている!もしやこれは!?


「賢者の石なのか?」


瘴気石が変質して賢者の石になるなど聞いた事が無い!

何だか光を浴びていると心が浄化されていくようだ。


「司祭様・・・私、シスター辞めます。」

「私も・・・」「私も・・・」


何と全員が辞めると言い出した。


そうだ、冷静になったら大司教あのハゲの言うことを聞いて生きていくのがバカらしくなってきた。


自分も司祭を辞めよう!

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