5.プールで泳ごう

青い空!


照りつける太陽!


白いタイル…


たわわに実ったチチ!シリ!フトモモ!(自前)


ムワッとした硫黄臭のする風!


ムキムキの大胸筋と大臀筋を申し訳程度に隠す極彩色のマイクロビキニ姿でフロント・ラット・スプレッドのポーズを決めるオカマ!




ここは、アールストにある温泉を利用したプールだ。

休日を利用して孤児院の子供達+カリーナと一緒に入りに来た。


男の子達には、目の毒だからスクール水着で肌の露出を押さえている。

他の女の子達もおそろいのスク水だよ♪


カリーナの水着は、布地が少なく尻もTバックだしギリギリ局部を隠しているけど色々とはみ出しそうだ…まあ、大丈夫だろう。



先日、海は多分ヤバいから湖なら大丈夫だろうと思ってアル君と一緒に下見に行ったらとんでもない目にあったんだよ・・・


肉食魚の群れ、ワニっぽい10mぐらいのデカ物、牙がいっぱい生えてるよく分かんない生物に、首長竜(肉食)、淡水サメ等々・・・

とても泳げたものじゃなかった。


倒せないこともないけど何しろ数が多すぎるし湖ごと殲滅するなんて面倒くさすぎるので近場の温水プールで泳ぐことにしたの。




私は、ビーチパラソルを立ててビーチチェアに寝そべりながら果汁100%のジュースをストローでちゅーちゅー吸う。

何故か知らないけど注目されまくっている。



「うわぁあああああああああああああああ!!!」

おお、アル君とカリーナが競争してる!アル君、犬かきなのにめっちゃはやーい!

その後ろからカリーナがバタフライで猛追している。


じゃばばばばばば!!!!

ざっぱーん!ざっぱーん!ざっぱーん!


「助けてぇぇえええええええええええええ!!!」

「かわ…(ザパッ)いい…(ザパッ)お尻…(ザパッ)ねェン♥(ザパアアアアアンッ!)」

「ひぃいいいい!」


ザパァっと二人ともプールから上がってダッシュをする・・・トライアスロンなの?


「アルから離れなさい!このバケモノーーー!」


パリスお姉ちゃんが鋭い飛び蹴りをブチかました。

バキィンと横っ面を蹴られたカリーナが吹き飛んで壁に激突しそうになったけどクルリと体制を立て直して壁に着地した。

おお、すごい!


「んもォン…もう少しだったのにィン☠」

「すごいね、カリーナってばバタフライが得意なんだね!」


「バタフライってなーにィン?」

「ん?さっきカリーナがやってた泳ぎ方の名前だけど?」


「そうなのォン?アタシ泳ぐのは初めてよォン、目の前のお尻にかぶりつこうと思ったらああなったのよォン♥」

「さすが、カリーナ!すぐ泳げるようになるなんて運動神経抜群だね!」


ズビビーッとストローが音を立てたと思ったらジュースがなくなっていた。


「さて、私もそろそろ泳ごうかな~」

「アタシは、疲れちゃったから少し休憩するわァン♥」


カリーナは、ビーチチェアに寝転がって寛ぐようだ。

アル君も泳ぎ疲れたのか肩で息をしてグッタリしている。


準備体操をしているとまた視線が集中する。

屈伸、伸脚、アキレス腱を伸ばし、手首足首をブラブラして首と肩を回して最後にジャンプ・・・

(たゆーん、たゆーん、たゆーん)

皆が食い入るようにこちらを見ている・・・何か変な事したかな?



よーし、カッコいいクロールを見せちゃうよ~!

水泳選手のような綺麗なポーズで飛び込む(※施設内は、飛び込み禁止!)


ザブッ

んぐ!?感じたことのない抵抗が!


「ぐべっ・・・ごぼぼぼ・・・ぶはぁ!」


おかしい、泳ぎは得意なはずなのに何故か泳ぎづらい。

エルフの里では、何の問題も無かったのに9年のブランクでこんなに下手になるのか・・・あっ!


胸のせいだ・・・水の抵抗がすごいし腕が動かしづらいし貧乳の時の泳ぎ方じゃ駄目みたい。

仕方ないから背泳ぎにしよう。


シャバシャバシャバシャバ・・・


・・・おかしい、泳ぎの方は問題ないんだけど胸に視線が集中して泳ぎづらい。

視線の圧だけでスク水に穴が開いてしまいそうだ。皆どこを見てるんだよ!


堪らずクルリと体を半回転させて平泳ぎにシフトさせる。

よし、今度は何の問題ないみたいだね。


因みにバタフライはどうやって泳ぐのかよく分からない。多分、溺れた人みたいになっちゃいそう。


一通り泳ぎの確認を終えたのでクロールのモーションを今の体形に合わせて修正をする。

しばらくしたら、違和感が半端ないけどそれなりに泳げるようになった。


「ティファ姉ちゃん色んな泳ぎ方知ってるんだな!」

「俺達にも教えてくれー!」

「わたし達にも教えてよー!」


そういえば皆、犬かきで泳いでたね・・・習ったことないんじゃ泳ぎ方なんて知らないよね~

しかし、犬かきの女の子達は可愛いからそのままにしておきたいんだけど・・・ぐぬぬ!



断腸の思いで泳ぎ方を教えて全員が一通り泳げるようになった。


ザババババババババババ!!!


お、アル君がクロールで超スピードで泳いでる!?速ッ!


ズババババババババババ!!!


その後ろをカリーナがクロールで猛追している!こっちも速い!



しばらくして2人共ピタリと動かなくなった、速く泳ぐあまり息継ぎをしていなかったんだ!


急いで2人をプールから回収して横に並べる


「心臓マッサージと人工呼吸よ!カリーナは私がやるからパリスお姉ちゃんは、アル君をお願い!」

「し、心臓マッサージってどうすればいいの!?」


「お手本を見せるから同じようにやってみて!」


気道の確保とか何やかんやを説明しながら胸をぐっぐと押してマッサージからの~マウストゥマウスでカリーナに息を吹き込む。これを何度か繰り返す。


「ムリムリムリ!みんなの前でキスなんて出来ないよー!」


パリスお姉ちゃんがやる前から折れた。

こっちの状況も良くない、カリーナが一向に意識を取り戻さない。


「あ゛ー!私も知識では知ってるけどやるのは初めてだから上手くいかなーい!」


所詮素人だから知識チート系のラノベみたいにお手軽解決なんて出来ないよー!

どうしよう、どうしよう!このままじゃ2人が死んじゃう!どうやったら回復させられるん・・・あっ…


「・・・〈アルティメットヒール〉」


普通に回復魔法で治った。


「・・・・・・」


ジト目で睨んでる。

テヘペロで誤魔化したらその顔がむかつくって言われて頬っぺたをムニムニされた。




◆◇◆◇




「って感じで今日は温水プールで泳いできたんだよ~」


今は、宿の温泉でキャンディスに今日あったことを話しているところだ。


「はあ?何で海に行かなかったのよ?」

「だって海は魔物がいっぱいいるんでしょ?」


「何処の海よそれ?そんなんだったら漁師なんか誰もやらないわよ?」

「う、海は行ったことないけど、この前湖に行ったら魔物だらけだったよ?」


「もしかして、それって北東にある湖?」

「うん、そうだけど?」


「そこは、魔物が集まる湖と書いて魔集湖ましゅうこよ。」

「何それ!?」


「世界有数の危険な湖ね、普通の湖は魔物が居なくもないけど普通に泳ぐことはできるわよ?」

「そうだったんだ~」


「海の方は、沖合に行かなければ安全よ。どんな化け物が居ると思ってたの?ププッ」

「笑わないでよ!」


どうやらイメージが先行していただけで海は比較的安全のようだね。

そうと分かったらキャンディスの水着姿が見てみたい。褐色の肌には、白のビキニが似合いそうだね♪

布地も少なめで・・・ウヘヘ♡


ん?いま全裸を見てるだろって?

甘い!全裸よりエロい水着を着た方がエロいのだよ!


「キャンディ、今度一緒に海に行かない?安全なんでしょ?」

「いいわよ、せいぜい毒のない海蛇が泳いでいる程度だから問題ないわ」


ヘビ!?


「やっぱ無し!絶対行かない!海恐い海恐い海恐い!」

「何?蛇が恐いの?(ニヤリ)」


結局、今年の夏はキャンディスと海に行くことは無かった。

地球で泳げばよかったと気づく頃には夏は終わっていたよ・・・

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