4.闇の日のお出かけ。アル君12歳 地球編

さて、お昼休憩後だけどアル君を連れて地球に移動していた。最近かまってあげられなかったからね。

服は、2129年のファッションに合わせて着替えている。・・・と言っても100年以上前から大差はないけどね。


アル君は、黒のサマーパーカーとベージュのハーフパンツ。

私は、カワイイ系の白ブラウスと青のスカートにした。



「ティファ姉ちゃん、ここは一体・・・!?」

「私が昔住んでいた日本っていう国の東京って所だよ」


アル君が初めて見る景色に戸惑っている。

車とか電車とか見たことがない物でいっぱいだし人もたくさんいるからね~


「見たことない面白い所に連れて行ってあげるよ!」

アル君の手を取って歩き出す。



えっと、ここは何処だっけ・・・やばい!いつもの癖で新日暮里に来ちゃった!?

ガチムチのお兄さんが闊歩かっぽするノン気の男性にとってはハイレベルな危険地帯だ!


私は、女だからいいけどアル君のケツがやばい!

早く移動しないと!


あ、アジア系の角刈りマッチョメンがアル君の尻をみて唇を舌で湿らせてるぅうう!?

あっちには、白人と黒人の角刈りマッチョメンが肉食獣の眼差しでアル君を完全にロックオンしてるよ!


「アル君!お尻が危ないから急いで!!!」

「え?トイレに行きたいならそこにあるよ?」


そちらの方向を見ると確かにトイレがあり外からでも男性が用を足している姿がわずかに見える。

近くのベンチには青いツナギを着た細マッチョの良い男がアル君をチラチラ見ている。


「バカ――!そこのトイレなんかに入ったら私はともかくアル君は二度とこっちの世界に帰ってこれなくなるよ!」

「え?ええ!?」


とにかくアル君を強引にでもっぱって危険地帯を駆け抜ける・・・

ふう・・・何とか普通の日暮里に抜けられたね。


「危なかったぁ~」

「え?もうトイレはいいの?」


「アル君、もうちょっと危機意識を持った方がいいよ?さっき危なかったんだからね?」

「う?うん。」


「それに女の子にはトイレの事を直接言っちゃダメだよ?パリスお姉ちゃんに嫌われちゃうよ?」

「う、うん。次から気を付けるよ。」



日暮里から電車のネオ山手ラインを使って池袋に向かって移動した。

池袋駅からしばらく歩いて5年ほど前にリニューアルオープンした水族館に入る。気になってたから入ってみたかったんだよね♪

前世でもここの水族館には入ったことなかったから楽しみだよ~♡


「ティファ姉ちゃん、ここって何なの?」

「水族館っていう色々な海の生き物が展示されている場所だよ」


「え?何でそんなことしてるの?」

「んー、身も蓋もないけど海の動物を一カ所に集めて、それを見せてお金を稼いでいるんだよ。まあ、とりあえず見に行こうよ♪」


腕輪型デバイスで2人分の料金を支払って入場ゲートを抜けると・・・


ガオォォン!!!


と虎が吠える様な音が壁面スピーカーから鳴り響き、巨大なサメの映像が映し出される。



「にゃあああ!!!」「うわぁああ!!!」



あまりにもビックリしたのでお互いに抱き合ってしまった。心臓が止まるかと思ったよ!


「あー、びっくりした~」

「・・・・・・。(ハスハス)」


アル君がやけに大人しいね・・・そんなにビックリしたのかな?


「この生き物は、サメっていうんだけどホントは「ガオー!」なんて吠えないんだよ~」

「・・・じゃあ何で吠えたの?」

「いやー、昔からの演出でね・・・」


大人の事情を説明しつつ通路を進むと壁も天井も水槽になっているゾーンになった。

海の中のトンネルを歩いているような感覚になる。


私は、先ほどのサメの演出が怖かったのでアル君の腕にしがみついて移動している。

ヘビ程じゃないけどサメも苦手なんだよね。


水槽の中には、イワシの群れや様々な魚たちが泳いでいて2mぐらいのサメもいる。


「あれ?・・・さっきのサメってこんなに小さかったんだ」

「種類とか育ち具合で大分変るんだよー、確か最大で6mぐらいになるんだったかな?」


「6m!?そんなのが海に泳いでるの!?海って恐い所なんだ・・・」

「まあ、滅多に遭遇することなんてないよ。もう絶滅してるけど、すごく昔には18mのサメも居たんだよ~」


「18m!?ううう、海恐い!絶対に行かないようにする!」

「心配しなくても大丈夫・・・じゃないかも・・・あっちの世界はもっとヤバい魔物とか居るかもしれないね・・・わ、私も海には入らないようにするよ。」


二人してガタガタ震えつつ通路を進む。


小規模な水槽が展示されているゾーンに入った。



まずは、ウニ。


「これは・・・栗?」

「確かに似ているけどこれは、ウニだよ~食べると美味しいの。夕ご飯の時間になったら食べに行こうよ♪」

「うん、いく!」



次は、カニ。


「すごく強そうだね」

「いやー、滅茶苦茶弱いよ。これも、美味しいんだよ。」

「美味しいんだ・・・」



今度は、イカ&タコ。


「名状し難い感じの生き物だね・・・」

「知らない人からするとそうなのかもね。これも、美味しいんだよ。」

「基本的に食べるんだね・・・」



お次は、チンアナゴ・・・パスだよ!


アル君の後ろに隠れてなるべく見えないようにする。


「どうしたのティファ姉ちゃん?」

「あの生き物は、あまり見たくないの!食べれないし!次行くよ次!」

「う、うん」



…マンボウだ。


「何だか・・・間抜けな顔だね。」

「それが可愛いっていうことらしいけど私にも分かんないや・・・。一応これも美味しいらしいよ?」

「何でも食べちゃうんだね・・・」



次のエリアに移動するとペンギンが見えてきた。


「ねえ、これも食べると美味しいの?」

「いやー、流石にペンギンは食べないね。こんな可愛い動物を食べるなんてとんでもない!」

「これ・・・カワイイんだ?オレにはよく分からないよ。」


あ、やばい食べるだとか食べないとかペンギンの前で言い合ってたんで周りから変な目で見られてる!?

さっさと移動しよう。



「あ、もうすぐショーの時間だ!」

「ティファ姉ちゃん、ショーって何?」

「ええと・・・イルカとかアシカがね、・・・見た方が早いから行こう!」


アル君の手を引っ張って客席に向かう。ひゃっほーう!最前列だー♪


まずは、アシカが出てきて色々な芸をして客席を沸かせる。


「すごい!動物ってあんなに頭が良いんだね!」

「訓練のたま物だよ、野生のアシカだとあんなことできないからね。」


次は、イルカの出番だ・・・


「うわっ!サメだ!」

「似てるけど違うよ~、イルカっていう生き物で頭が良くて大人しいんだよ。」


イルカ達は、インストラクターさんとの連携技など様々な芸を披露してくれた。

いよいよ見せ場の大ジャンプだ・・・


バシャアアッン!


「きゃぁああ!」「うわぁああ!」


忘れてた!イルカショーの時って前の列はびしょ濡れになるんだった!?

ああ、ブラウスが濡れてブラが透けちゃってる・・・。


幸い然程水はかからなかったので、そのうち乾くだろうけどトイレに行ったら浄化で乾かしちゃおう。

周りからねっとりした視線で見られてるから早くしたほうがいいね。



「ふぅ~、楽しかったね~♪」

「うん、オレも初めて見るものばかりで楽しかったよ。」


今度は地下鉄を使って新築地に移動した。

最近、何だかんだと豊洲から市場がまた戻ってきて再開発されたんだよ~。


前世でも食べたことのある老舗のお寿司屋さんがあるのでお寿司を食べに来た。


ちょっと高くてお財布に痛いんだけど、こういう時は遠慮なくパァーッと使わなきゃダメだよね。


アル君は、何を食べたらいいのか分からないって事なのでおまかせコースにしておいた。


「オレ、生の魚が食べられるなんて知らなかったよ。すごく美味しいし!」

「新鮮だからね~。」


海無し県のスーパーに売ってるお刺身、マグロだけは微妙すぎて私は、食べれない。

今の時代は、どうなってるのか知らないけど態々買って試したいとは思わないよ。


種類は多少違うけれど水族館でも見た生き物たちを次々と姉弟きょうだいで食べ進めていく。


エビうまー!やめられない止まらない!


「ふう・・・お腹いっぱいだよ~」

「美味かったー!」


4万円ほどかかってしまったけど大満足だよ!お金なんかまた稼げばいい。


お寿司屋さんを出たら二人で街を歩く。夜景がとっても綺麗だ。

美味しい物を食べた余韻でとっても幸せな気分だ。


周りの人達がなんとなく羨ましそうにこちらを見ている。

姉弟きょうだいなんだけどカップルにでも見えるのかな?


「ティファ姉ちゃん、オレ・・・」

「ん?なーに?」


キリッとした表情でアル君が何かを言おうとしているけれど言葉は続かない。


「・・・今日は、日本に連れてきてくれてありがとう。」

「どういたしまして♪」


さっき言おうとしていた事とは違うんだろうな…ってことは私にも分かった。無理には聞かないでおこう。


「じゃあ、アールストに帰ろっか?」

「うん、帰ろう。」



人気のない路地で魔法を発動して私達は、アールストに戻った。

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