閑話、強スギル

俺は、知麻夜 杉流ちまよい すぎる。16歳…この世界ではもう成人扱いされているぜ。


先ほどスティファニーのおやつを食べちまって思いっきり引っ叩かれちまった。

やっぱスイーツの恨みは怖ぇえ。牛乳だけでもおかわりが欲しかったんだけど流石に図々しかったな。

何だかよく分からんが先ほどから迸るように力が溢れてくる。色々とパンクしちまいそうだ。


ポケットをまさぐるとスティファニーからもらった報酬は、かなりの金額が入っていた。

よし!店に行こう!



♡♥♡♥♡♥



ふぅ・・・

一晩明けたんだが俺のマイサンは、3回戦目でさっさと沈黙しているのに体から溢れるパワーが治まらない。

あれ・・・?これはぁ!?もしかして魔力かぁ!てっきり性欲と間違えちまった。


そういえば・・・俺ってばスティファニーに叩かれるたびにパワーアップしている気がする。

また今度会ったら叩いてもらうかな・・・。

さて、よく分からんが魔力量がケタ違いに跳ね上がってやがるからちっと馴らしに行くか!

ギルドは・・・しばらく顔出すなって言われちまったからなーテキトーに森に行ってみっか


風魔法の〈ホバーリングジェット〉で地面スレスレを猛スピードでかっ飛ばしてアールストから100kmほど離れてる王都に近い森に来た。


「すげぇ、全然魔力切れにならねぇ。魔法使いたい放題じゃねーか!」

いいぞー!異世界ハーレム生活が完全に始まったなコレ!


練習台になる獲物を求めて〈探索サーチ〉で魔物を探すと反応が・・・マジかよ!割と近くで人間が襲われてどんどんやられてるぞ!


全力で飛ばして駆けつけると立派な馬車が襲われていた。

イケメンの剣士が一人で頑張ってるが他のヤツラは怪我だらけでもう動けねーじゃねーかよ!


パワーアップした俺の力を見せてやるぜ!

〈ホバーリングジェット〉の勢いで魔物達を数匹斬りつけるが数が多すぎる。ぶっ放すか!


「くらえや!二重魔法ダブルマジック追尾ホーミング・ダイヤモンドストーム〉!」


よっしゃ!今まで魔力不足で使えなかったのが楽々発動したぜ!

すげぇ!魔物達がダイヤモンドに切り裂かれてズタズタになってやがる!

俺TUEEE!!!


「貴様、何者だ!」

「何者だはねぇだろ、せっかく助けてやったのによぉ」

立場は分からなくもねぇが腹立つなー。イケメンだし。


まだ黒くてデカいスライムが残ってやがる。コイツがボスだな。ダイヤモンドストームが全弾突き刺さってるのにビクともしてねぇや

コイツにやられて体を溶かされた奴らが結構いる。かなり厄介だな。

解析アナライズ〉で探ると聖属性と火属性が弱点だった。


「燃えちまえ〈聖火〉セイントファイア!」


GYUAAAANNN!!!


チッ効いてるけどデカすぎて今一だな。全力でぶっ殺してやる!

アイテムボックスからミスリルソードを取り出して魔力を集中させる。

剣が眩しいほど黄金色に輝き周囲一帯を照らす。


「―――魔技マジックアーツ〈聖炎乱れ切り〉!」

魔技によるアシストで身体能力以上の斬撃を実現する。光刃が縦横無尽に奔り敵を切り裂いていく。流石にガチの剣士じゃないから剣筋の制御ができねぇがこれで十分だ!

聖なる炎に焼かれ細切れになった黒スライムが燃え尽きて塵となった。


「ふぅ、デケェだけだったな」

さて、怪我人共はどうだ?


馬車の方に歩いて近づいたらイケメン剣士が立ちはだかる

「すまない助力は、ありがたく思うが誰とも知らん者を馬車に近づける訳にはいかんのだ!」

「いや、分かるけどお前以外血だらけじゃねーかよ」

めんどくせぇ今まで使えなかったけどエリアヒールで回復させちまおう。

緑色の癒しの光が広がり一団の怪我を癒した・・・


ああ、黒スライムのせいで腕や足を欠損しちまってるヤツラが結構いる。


「顔が・・・ワタクシの顔が!」

声からすると女性らしき人物が顔を押さえて泣いてる。顔だけじゃなくて髪や全身が溶かされて皮膚も無くなって筋線維が露出しちまってる。

ヒールが効いねぇってことは欠損扱いか・・・可哀想に、今治してやるからな。


「おい、お前!アリーヤ様に近づくな!」

「うっせーな、治してやるから黙って見てろ!」

泣いてる女性に触れられる距離まで近づく。

修復は滅茶苦茶魔力を消費するって話だが今の俺なら何とかなるか?・・・とりあえずやってみっか。


「・・・〈修復リペア〉」

ズルズルだった皮膚が元の綺麗な肌に戻っていく。おお!すげぇちゃんと治っ た・・・

結構美人 じゃねーか、 さっきは溶けてたから 分かんなかったが 胸もまあまあ デカいな。 鏡を出して 渡してやる。


「顔が…体も治ってるわ!ありがとうございます!ありがとうございます!」

やべぇ さす がに 魔力 使い すぎ た・・・


前のめりに倒れて意識がブツリと切れた。




◆◇◆◇




目が覚めたら無駄に豪華な天井が見えた。


「城みてぇな場所だな・・・」

ベランダに出て建物の外観を見ようと思ったがデカすぎてよく分からん。

魔法で視覚を飛ばして遠くから確認したらやっぱり城だった。


ガチャリと扉が開いて成金みたいなファッションのオッサンが入ってきた。

「いよぉー、娘を助けてくれてありがとな。オジサン感謝感激だよー」

クセが強いオッサンだな。


「たまたま通りかかっただけだ。オッサンは誰?」

「オジサンは、この国の王様だよ」

ずいぶんフランクな王様だな


「俺は、スギルだ。知麻夜 杉流ちまよい すぎる

「もーしかしてお前さん地球の日本から召喚された感じか?」

日本を知ってるのかこのオッサン


「いや、自力でこっちの世界に来た。」

偶然だが嘘は言ってない。こう言っておくとかっけーし


「何時来たんだ?」

「3年近く前の6月だけど?」

「ちょいとウチの勇者達と顔を合わせてみないか?」

「何でさ?」

「多分同じぐらいの日にこっちに来てるから知り合いだとオジサンは思うんだよ。どうだ?」

「そこまで言うなら一度ツラみていくか」


オッサン王に案内されて城の中を歩く。んだよーぷりっぷりのメイドとかいねーのかよ?

お?着いたか?


「ここだ、入るぞー」


部屋の中に入ると確かに知った顔が居る。


「・・・テメェ、もしかしてスギルか?」

「何だって?あの弱虫の雑魚スギルなのか?ププーッ」

「やだー私のこといつもエロい目でみてたあの弱虫君?」

行き成り失礼な奴らだな。

確かヨシロウとソウイチロウ?・・・あと、誰だあのケバいブスは? 


何でベッドの上でイキってんだ?

全員満身創痍の包帯だらけで手足まで欠損してるじゃねーかよ

黒スライムにやられたのか?


「どうだスギル、知り合いか?」

「ヨシロウとソウイチロウは、クラスメイトだった。そのブスは知らん。」

「ブスとは何よ!私だって同じクラスだったでしょ!?」

「名前が違うぞ!ヨシタロウだ!」

「俺だってソウジだぞ!」

仲が良かった訳じゃねーからどーでもいいけど


「おい、オッサン。コイツ等が勇者って冗談だよな?」

「んーオジサンも冗談だって思いたいんだよ。でも魔方陣から出てきちゃったしなぁ」

「多分ハズレだな。コイツ等がいつもイジメてた奴が本命の勇者候補だったと思うぜ?」

「マージかぁ、オジサンショックだよ。エリクサー代とか送還代高いんだよなぁ」

事情は知らねーから勝手にやっててくれや


コンコン・・・


「誰だー?」

「お父様、私です。」

「おう、入れー」

「失礼します。」

入室してきたのはアリーヤだったかオッサンの娘なら王女だな。

何か俺の顔を見てモジモジしてるけど何だ?


「あの、私アリーヤと申します。助けて頂いてありがとうございました。」

「ん?ああ、気にしなくていいぜ偶々通りかかっただけだからな」

「お名前を教えて頂けますでしょうか?」

「俺は、スギルだ。」

「スギル様!もしよろしければ、私と交際して頂けませんか?」

んー、美人だとは思うんだけどまだスティファニーともワンチャンあるかもしれないし行きつけの店の女の子達ともまだまだ遊びたいしなー


「わりぃ、とりあえずダチからだな」

「・・・分かりましたわ。お友達から宜しくお願い致します」

正直言うと、お上品な女はちょっと苦手だな。

ベッドの方から雑魚共が羨ましいとかけしからんとかヤジを飛ばしてきてるが無視だ。


「じゃ、俺はアールストに帰るわ」

「そんな!お友達になったばかりなのに!一晩ゆっくりしていって下さい!」

「うーん美味い酒とかある?」

「もちろんございます。たくさん用意させますわ。」

「よっしゃ今日は飲むぜー!」


うー頭痛てぇ・・・飲み過ぎた。

ここは?ベッドの上か・・・あれ?服を着てねぇな

横を向いたら裸にシーツ一枚をかけただけのアリーヤがにやけた顔でスヤスヤと寝息を立てていた。


あ・・・ヤっちまったー!?

いや、これはハメられた!食われたのは俺の方だ!俺は悪くねぇ!

よし逃げよう!

するりとベッドを抜け出す。


「あら、アナタ♥何処にいきますの?」

ひぃ!もう旦那に格上げされてるー!?


フルチンだけど仕方ねぇ〈ホバーリングジェット〉で夜の王都を駆け抜けてアールストまで逃げ帰った。


逃げたまでは良かったが後日城に呼び出されて責任を取る形で王女の婚約者にされちまった。

俺の異世界ハーレム計画はこうして頓挫とんざした。


チクショー!

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